Faber Company、「AIマーケティングサービス」提供開始 生成AI時代の検索体験の変化に対応

2025年5月13日、国内SEO支援の老舗Faber Companyが「AIマーケティングサービス」の提供を開始した。生成AIの台頭により変化する検索体験に対応し、企業のブランド認知や流入増加を図る戦略的な施策である。
生成AIで変わる検索環境、Faber Companyが打ち出す「GEO×SEO」の融合戦略
生成AIが提供する検索結果や要約コンテンツが急速に一般化しつつある今、検索エンジンの在り方そのものが再定義されようとしている。従来のSEO(検索エンジン最適化)だけでは捉えきれないこの潮流に対し、Faber Companyは新サービス「AIマーケティングサービス」を通じて本格的な対応に乗り出した。
本サービスでは、GEO(Generative Engine Optimization ※1)、AIO(AI Optimization)、LLMO(Large Language Model Optimization ※2)といった概念を軸に、生成AIとの接点を強化する施策を提供する。
これらは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが検索プロセスに組み込まれることで、ユーザーが従来の検索結果よりも自然言語で生成された回答に触れる機会が増えた現状を踏まえたものだ。今後は「AIに引用されるか否か」が流入の鍵を握るとも言える。
Faber Companyはこれまで培ってきたSEOのノウハウを応用し、生成AIが参照する情報構造や記述形式を分析。どのようなコンテンツが生成AIによる要約や回答に反映されやすいかを計測・解析することで、企業ごとに最適化されたコンテンツ制作支援を可能にした。
※GEO(Generative Engine Optimization):生成AIによる検索結果や要約文で自社情報が引用されるよう、コンテンツ構造や表現を最適化する手法のこと。
※LLMO(Large Language Model Optimization):ChatGPTなどの大規模言語モデルに自社情報が認識・活用されるよう最適化を行うマーケティング手法。
生成AI活用はマーケティングの新常識に
生成AIの進化は、マーケターにとって「検索対策」の意味を根本から変えるものとなった。キーワードの詰め込みや被リンクの獲得といった旧来のSEO戦略だけでは、もはやAIによる要約や回答に登場することは難しい。AIが重視するのは構造化された情報、文脈に応じた説明、そして信頼性である。これらに対応できるコンテンツこそが、AIによる回答に含まれる確率を高める。
今回のFaber Companyのサービスは、まさにこのギャップを埋める存在といえる。AIによる生成結果にブランドが取り上げられることは、検索結果の1位を取る以上の効果を持つ可能性がある。ユーザーが信頼するAIの回答に企業名が含まれれば、それは強力なブランド認知と見なされるからだ。
生成AIの台頭は一時的なトレンドではなく、検索や購買のインフラを根本から書き換える変革である。
今こそ企業は、AIに選ばれる情報とは何かを問い直し、次世代のマーケティング戦略を構築すべきタイミングに差し掛かっている。