ESG開示を加速する「estoma」がCDP2025対応のAI機能を追加、スコア予測と改善提案を自動化

2025年5月12日、日本発のESG統合情報開示クラウド「estoma」に、CDP2025対応の新機能が実装された。AIによる回答支援とスコア予測を通じて、企業のESG開示業務の効率化とCDPスコアの向上を支援する内容で、サステナビリティ領域で注目を集めている。
AIによる回答支援とスコア予測がESG開示のハードルを下げる理由
CDP(Carbon Disclosure Project)(※)は、気候変動に対する企業の対応状況を測定する国際的な情報開示プラットフォームであり、年々その評価基準は厳格化の傾向にある。
とりわけCDP2025では、より詳細かつ科学的根拠に基づいた情報提供が求められる。この潮流に対応するべく、株式会社estomaは自社のESG統合情報開示クラウド「estoma」に、AIを用いた回答支援機能とスコア予測機能を新たに追加した。
AIによる回答支援は、企業が保有する公開・非公開の情報をもとに、専用に設計されたサステナビリティAIモデルが、CDP設問への高精度な回答案を自動生成する仕組みである。各設問ごとに最適な文脈と構成を持つ回答を提示し、さらに改善点やスコアアップの提案も加えることで、実務担当者の負荷を大きく軽減する設計となっている。
スコア予測機能は、現時点での企業の想定スコアをAIが分析し、どの設問や開示項目がスコア向上に直結するかを可視化する。これにより、企業は開示の優先順位を戦略的に見極めることが可能になる。
これらの機能により、CDP対応業務に割かれる膨大な時間を短縮しつつ、スコアの質的向上も狙える点で、特にESG開示に不慣れな企業にとっては大きな導入メリットとなりそうだ。
※CDP(Carbon Disclosure Project):企業や自治体に対して気候変動、水資源、森林などの環境課題に関する情報開示を求める国際的な非営利団体。投資家や顧客による企業評価の基準として広く活用されている。
サステナビリティ領域の変革とestomaの成長戦略
ESG(※)情報開示の重要性が急速に高まる中、estomaは単なる情報管理ツールにとどまらず、企業のサステナビリティ推進そのものを支援する総合プラットフォームへの進化を遂げつつある。
CDP対応の機能強化は、その戦略の一端に過ぎない。今後もestomaは、ESG関連の法規制や国際標準に柔軟に対応し、外部評価機関や投資家のニーズに応える製品開発を継続する見通しである。
市場の反応も好意的で、既に一部上場企業を中心に導入が進んでおり、ESG推進部門の業務効率化や社内報告の質的向上に寄与しているとの声が寄せられている。また、スタートアップや中堅企業においても、AIによる簡易対応が実現することで、初期の情報開示体制の構築が容易になると評価されている。
ESGとAIの融合という観点から見ると、estomaのようなプロダクトが普及することで、ESG情報開示が形式的な義務ではなく、戦略的経営の一環として浸透していくことも考えられる。
企業の透明性向上や投資判断の精度にも波及する可能性も高いため、今後の展開にも注目したい。
※ESG(環境・社会・ガバナンス):Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略で、企業の持続可能性や社会的責任を評価する枠組み。投資家や消費者が企業を評価する新たな基準となっている。