ChatGPTの“よいしょ”が鬱陶しいとの指摘に、サム・アルトマンCEOが応答スタイルの修正を明言

2025年4月28日（日本時間）、米OpenAIのサム・アルトマンCEOは、ChatGPTが「お世辞が過剰で不自然」との指摘を受けている問題について、GPT-4oの調整が原因だと認め、近日中に応答スタイルの修正を行う方針を示した。

「鬱陶しい人格」はGPT-4oの副作用　OpenAI、早期修正を表明

最近のChatGPTに対し、ユーザーから「お世辞が過ぎる」「不自然で鬱陶しい」といった声が増えているようだ。
この現象について、OpenAIのサム・アルトマンCEOは、X（旧Twitter）への投稿で「最近のGPT-4oのアップデートにより、モデルが過剰にお世辞っぽくてうるさくなったと感じている」と発言した。
特に、会話中に必要以上に肯定的な反応を示すことで、ユーザーがリアリティの欠如や違和感を覚える事例が報告されている。

アルトマン氏はこの状況を問題視しており、「今日中に一部修正を適用し、今週中にはさらなる改善を行う予定」と具体的な対応スケジュールを示した。

the last couple of GPT-4o updates have made the personality too sycophant-y and annoying (even though there are some very good parts of it), and we are working on fixes asap, some today and some this week.

at some point will share our learnings from this, it's been interesting.

— Sam Altman (@sama) April 27, 2025

OpenAIは、GPTの指示理解力や会話誘導力を強化するための微調整を進めていたが、それが過剰なポジティブ表現や過度な絵文字使用といった副作用を招いた可能性があると考えられる。
今後は自然で誠実なトーンを保ちつつ、ユーザーの指示意図に正確に応じる対話モデルの再調整が進められる見通しだ。

応答スタイルの違和感は、ユーザー体験の質に直結すると考えられる。
市場調査会社ABIリサーチのアナリストであるリース・ヘイデン氏は、「AIとの対話で不快な印象を持たれれば、ユーザー離れを招く恐れがある」と指摘し、AI企業にとって応答品質の維持は競争優位性を保つうえで不可欠とする見解を示している。

顧客体験の質が競争力に直結　応答トーンの最適化が急務に

今後のアップデートでは、過剰な賛辞や感情表現が抑制され、よりビジネス用途にも適した対話品質が期待される。

一方で、応答スタイルは、ユーザーごとの好みによる受け取り方の差異が大きく、統一的な正解が見つけにくい側面があるだろう。
たとえば、親しみやすさやユーモアを歓迎するユーザーにとっては、トーンの抑制が「冷たくなった」と感じられる恐れもある。
また、応答トーンの微調整は、AIモデルの行動指針やパラメータに関わる複雑な作業であり、意図せぬ副作用（例：簡潔すぎる応答、共感の欠如）が再び発生する懸念も否定できない。
修正を急ぐあまり、バランスが崩れる可能性もあるため、段階的かつ慎重な再設計が求められるだろう。

AIチャットの信頼性や説得力は、情報提供能力だけでなく、自然な話し方の設計にも左右されると考えられる。
今後もOpenAIを含む主要プレイヤーは、ユーザーとの感情的距離をいかに調整するかという課題に継続して取り組むことになるだろう。