Ceramic Network&Lit Protocolの拡張性はdWebを実現する!?
この記事では「Ceramic Network 」と「Lit Protocol」と言う2つのプロトコルを解説し、その統合によって実現する可能性について解説します。少し難しい内容になるかもしれませんが、わかりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
Ceramic Network とは?
Ceramic Networkは、分散型のデータネットワークプロトコルで、コンポーザブルなインターネットを実現します。
カタカナばかりで難しいので簡単に解説します。
ごく簡単に言えば、「分散型のデータストア(≒サーバーみたいな)」です。そして、単なるデータストアではなく、コンポーザブルです。
コンポーザブルを簡単に言えば、色々なものと連携が容易であると言うことです。たとえば、最近のWebサービス(ZoomやSlack、Notionなど)はAPI連携や内部アプリと言う形で複数のアプリケーションを連結させて、自由にサービスの機能を拡張することができます。以前は、自社サービスだけで全ての機能を完結させることが主流でしたが、徐々に拡張性の高いコンポーザブルな設計が主流になってきました。
ブロックチェーンも基本的にはコンポーザブルな設計ですが、それは同一チェーン内の話に限ります。まだチェーン間は互換性が低いため、たとえばETHチェーンのNFTをSolanaチェーンに移行することはできません。つまり、ETHチェーンのDappsとSolanaチェーンのDappsでは互換性がないことになります。
Ceramic Networkはこの問題を解決します。チェーンが異なるDappsにおいて共通のデータの利用ができるようになります。
Ceramic Networkでは、データをDIDに紐付けます。特定のチェーンやウォレットではなく、DIDに紐づけることで、異なるチェーンでも利用できるようにします。この考え方を「Data Composability」と呼びます。
細かい技術的な背景はここでは触れませんが、真の意味で分散型ウェブ(dWeb)を実現する可能性を持つプロトコルがCeramic Networkです。
Lit Protocol とは?
続いて、「Lit Protocol」の解説をします。
「Lit Protocol」は、分散型鍵管理ネットワークです。
こちらも少し難しいので噛み砕いて説明します。尚、Ceramic Networkの解説もそうですが、技術的な完全解説ではなく、イメージとして理解できるように噛み砕いて解説していますので、詳細な定義はHPやWPをご覧ください。
Lit Protocolは鍵管理ができます。鍵管理とは、アクセス制限です。NFT認証によってDiscordへログインできたり、特定のコンテンツにアクセスできる体験をしたことがある方も多いかと思いますが、まさにそれです。
Web2.0の世界でTwitterなどのSNSログインがあり、それはデータが中央集権的に保存されているので、web3はウォレットログインとなりました。Lit Protocolはこれをさらに進め、オンチェーンデータとオフチェーンデータのどちらもを読み取り、アクセス制限をかけることが可能です。そして、それを分散型で行うことで安心安全に実行可能です。
これらを実現するために「しきい値暗号」技術や「SEV (Secure Encrypted Virtualization)」技術などを採用しています。(この記事では詳しくは解説しません。)
たとえば、n個以上のNFT保有者やFT保有者に特定のトランザクションを実行したり、Discordデータを読み取って特定のアクションをしていた人だけがアクセスできるサイトを作ったり、既存サービス(ShopifyやZoom、Google Drive)などにもそれらの制限をかけることが可能になります。
App Storeを利用すれば既存サービスとの連携も簡単に行えます。
Ceramic NetworkとLit Protocolの拡張性
では本題です。
Ceramic Networkはコンポーザブルな分散型データストアであり、Lit Protocolは分散型鍵管理ネットワークだと説明しました。これらを組み合わせて利用することが可能です。
Ceramic Networkは分散型でコンポーザブルなDappsを構築することが可能ですが、それは完全にオープンなネットワークとなります。つまり、アクセス制限をつけることはできません。ここにLit Protocolを連携すると、分散型データストアで構築されたDappsに分散型のアクセス制限を設けることが可能となります。
たとえば、DAOメンバー限定サイトやサービスをCeramic Networkを用いて構築し、そのアクセス制限をNFT認証やDiscordで特定のアクションをした人だけと言う制限をつけることが可能となります。
Ceramic SDKを利用すれば簡単にLit Protocolと統合したサービスを構築することが可能です。
この統合で構築されたDappsは、チェーンに縛られず利用でき、データの所有権はユーザーに帰属し、中央機関によってアクセス制限や個人情報の漏洩がされることがなく、真の意味でdWebを実現するDappsとなり得ます。
Lit Protocolはアクセス制限をかけるプロトコルですが、あくまで一度設定した制限通りに稼働するプログラムであり、誰か中央に人間がいて、人を見て判断しているわけではありません。
もちろんこれ以外のプロトコルやDappsを利用すれば同じようなことが可能かもしれませんが、興味深い事例でしたので、深堀りして紹介させていただきました。
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