Web3学習コラム:ブロックチェーン基礎編
Web3を語る上で、全てに絡みついてくるブロックチェーンという技術。
ブロックチェーンの主要な機能を抑え、事例をもとにその有用性を語ることが出来れば、Web3の仕事には柔軟に対応することが可能になります。
Bootcampでは、従来のように知識を詰め込むのではなく、Web3でキャリアアップするために最適化された必要最低限の知見とスキルを最短で提供することを掲げています。
ブロックチェーンの背景
ブロックチェーンの背景が分かれば、何がどう変わったのか?主要な機能を理解できるでしょう。
ビットコインの登場
2008年10月31日。サトシ・ナカモトというペンネームで、ビットコインのWhitePaperが発表されました。
ココでは省略しますが、これらは世界的な金融危機の発生(政府が発行するフィアットマネーや銀行への信頼の揺らぎ)によってもたらされた、人々の”金融システムに対する疑問”がビットコインの思想とその実現を可能にしました。
ビットコインとは、暗号要素(非対称暗号、ハッシュ関数、プルーフ・オブ・ワークなど)で構成された分散型ネットワークプロトコルであり、機能性と安全性を提供しています。
ビットコインの根底にある重要な概念も新しいものではなく、それ以前から使われてきた技術がベースとなっています。ベースとなっていた技術が初めてかみ合ったのがビットコインなのです。30年ほど前にも、ビットコインのプルーフオブワークの仕組みはすでに作られていました。
ビットコインの仕組みは、最低限理解していると話がスムーズになるため、下記の動画は一度見ておいて損はないでしょう。
第二世代のブロックチェーンの誕生
ビットコインの成功を受けて多くの人がそのコードをフォーク(分岐)し、差別化された機能や性能を持つ新しいブロックチェーンを作り始めました。
ビットコインの取引はある程度プログラムできたり、スクリプトと呼ばれる簡単なプログラムを書くことで、資金がどのように使われるかをプログラムもできました。これがスマートコントラクトの発想です。
そして、Web3と呼ばれる業界の中で知らない人はいないであろうEthereumの創始者であるVitalik Buterinが、2011年、Bitcoinと出会います。
2015年7月30日に「Ether」という独自の暗号資産を持つEthereumが発売開始。
イーサリアムは、EVM(Ethereum Virtual Machine)という、「EVM Code」という新しい簡単なスクリプト言語を使ってあらゆる計算問題を解決できるシステムによって、新世代のブロックチェーンとなる革命を起こしました。
またSolidityと呼ばれるプログラム言語も提供しています。
ブロックチェーンの機能
さて、かなり省略したブロックチェーンの背景を知ったところで、主要な機能について抑えておきましょう。
ブロックチェーンは、一言で言えば、「ネットワークに参加する全てのユーザーが同一のデータを分散保持する仕組み」です。ブロックチェーンの主要な機能は、以下のようになります。
- データの改ざん防止:ブロックチェーンに記録されたデータは、暗号技術やコンセンサスアルゴリズムによって保護され、不正な変更や削除が非常に困難です。
- 取引の透明性の確保:ブロックチェーンに記録されたデータは、ネットワークに参加する全てのユーザーが閲覧できるため、取引内容や履歴が公開されます。
- トレーサビリティ:ブロックチェーンに記録されたデータは、その発生源や経路を追跡できるため、品質管理や供給管理などに活用できます。
データの改ざん防止
データの改ざん防止は、ブロックチェーンの特徴の一つです。ブロックチェーンでは、データを「ブロック」と呼ばれる記録の塊に収めて、時系列順につなげていきます。
各ブロックには、前のブロックの内容を示すハッシュ値という情報が含まれます。ハッシュ値は、データを一方向に変換して生成される暗号技術です。もしデータが改ざんされたら、ハッシュ値も変わってしまうため、不正な操作が検出できます。
また、ブロックチェーンはP2Pネットワークという仕組みを利用しています。これは、ネットワークに参加する複数のコンピュータが同じデータを共有・監視する仕組みです。このため、データを改ざんするには、多数のコンピュータに同時にアクセスして操作する必要がありますが、これは非常に困難で高コストな作業です。
以上のように、ブロックチェーンでは暗号技術や分散型ネットワークなどを組み合わせて、データの改ざん防止を実現しています。
取引の透明性の確保
ブロックチェーンでは、取引データをブロックにまとめて時系列につなげていきますが、そのデータはネットワークに参加する全てのコンピュータで共有されます。つまり、誰がどのような取引をしたのか、それぞれの利用者はいつでも確認できるわけです。
また、ブロックチェーンではスマートコントラクトというプログラムを使って、あらかじめ設定されたルールに従って取引を実行することができます。これにより、中央集権的なシステムや仲介者が不要になり、信頼性や効率性も向上します。
イーサスキャンが非常にサービスとして分かりやすいでしょう。
イーサスキャンは、イーサリアムやERC20トークン、ERC721トークンに関する情報検索ができるサイトで、イーサリアムの取引やトランザクションの承認状況などを確認できます。また、イーサリアムの価格やマイニング報酬なども見ることができます。
イーサスキャンのすごさは、イーサリアムのブロックチェーンに関するデータを分析し、可視化することで、ユーザーに有益な情報を提供していることです。例えば、ガス料金やネットワーク利用率などをグラフで表示したり、スマートコントラクトのコードや検証結果を閲覧したりすることができます。
トレーサビリティ
ブロックチェーンのトレーサビリティの仕組みは、以下のように説明できます。
- 製品やサービスに関する情報(例えば、原材料の産地や加工工程など)をデジタル化し、ブロックチェーン上に記録します。
- ブロックチェーン上の情報は、暗号化されたハッシュ値と呼ばれる一意の識別子で表されます。
- ハッシュ値は、前後のハッシュ値と連結されてブロックと呼ばれる単位にまとめられます。
- ブロックは、分散したノード(コンピュータ)によって検証されてからブロックチェーンに追加されます。
- ブロックチェーン上の情報は、参加者間で共有されるため、誰でも閲覧できますが、改ざんや削除はできません。
このようにして、製品やサービスの履歴や流通経路がブロックチェーン上に記録されることで、トレーサビリティが実現されます。例えば、「カカオ豆」 や「日本産食品」 などの分野でブロックチェーンを活用したトレーサビリティ・サービスが展開されています。
上記の事例は非常に面白いです。
ブロックチェーンの将来像
金融で目立ちがちなブロックチェーンですが、
ブロックチェーンは、金融だけでなく、さまざまな分野で実用化が進んでいる技術です。経済産業省の試算では、ブロックチェーンに関する潜在的な市場規模は67兆円に上るとの結果が示されています。
ブロックチェーンの将来像には、以下のようなものがあります。
- 不動産テック:人工知能(AI)とブロックチェーンを組み合わせて、不動産の検索、リスティング、仲介業務、住宅ローン市場、保険などを自動化・最適化する。
- web3:インターネットの次世代プラットフォームであり、ブロックチェーンや暗号通貨を活用して、ユーザーやコミュニティがデータや価値を自由にやり取り・管理できる分散型のネットワークです。NFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)などがweb3の代表的な応用例です。
- サステナビリティ:ブロックチェーンは環境問題や社会問題に対するソリューションとしても期待されています。例えば、エネルギー取引や排出権取引にブロックチェーンを導入することで、エネルギー効率や炭素削減を促進したり、社会貢献活動や寄付金の透明性や信頼性を高めたりすることが可能です。
以上は一部の例ですが、ブロックチェーンは多くの可能性を秘めており、私たちの未来を大きく変えるかもしれません。
具体的な未来は、これから創造されていくものなので、ここでは語りませんが、今回のブロックチェ―ン基礎編で語った機能を抑えておけば、後はWeb2のビジネススキルと掛け合わせることで、どの企業でも活躍することは可能でしょう。
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