Solvが「SolvBTC.AVAX」公開、ビットコインで利回り得る新選択肢

2025年5月16日、シンガポール発の分散型金融プロジェクトSolv Protocolが、アバランチ（Avalanche）チェーン上で新トークン「SolvBTC.AVAX」を公開した。
本トークンは、ビットコイン（BTC）を用いて利回りを得る手段を提供するものであり、現実資産（RWA）との連動により、従来の「非生産的資産」とされるBTCに新たな活用価値をもたらす可能性がある。

「価値保存」から「利回り資産」へ　SolvBTC.AVAXがもたらすBTCの新たな可能性

Solv Protocolが打ち出したSolvBTC.AVAXは、ビットコインの使い道を根本から見直す試みだ。BTCの価値は依然として高く、多くの投資家が保有を続けているものの、ステーキングや利回り獲得といった手段が乏しい点が課題とされてきた。
SolvBTC.AVAXはこのギャップを埋める新しいソリューションとなる。

このトークンはアバランチ基盤で発行され、ユーザーが「BTC.b」や「SolvBTC」などビットコインと1:1で裏付けられた資産を預け入れることで発行される。
最大の特徴は、現実資産（RWA）を活用する運用構造にある。
RWAとは、不動産や株式、アート作品といった現実世界の資産をブロックチェーン上でトークン化したもので、これらに裏付けられたステーブルコイン「deUSD」がElixirやEulerなどのパートナーを通じて発行・運用される。

SolvBTC.AVAXは、保有するだけでこれらの運用から生まれる利回りの一部が自動的に還元される仕組みであり、ユーザーは積極的な資産運用を行うことなくリターンを得ることが可能だ。
加えて、保有者にはアバランチ（AVAX）による報酬も付与されるというプログラムも用意されており、実質的なインセンティブ設計も強化されている。

拡大するDeFi経済圏とSolvの戦略　Web3時代のビットコイン運用の展望

この仕組みを支える連携プロジェクトの存在も見逃せない。
Elixirはステーブルコインの発行に関与し、Eulerはレンディングサービスを通じて資産運用を担う。さらに、LFJは全体的な資産マネジメントを支援し、Balancerは流動性プールの管理に特化する。
これらのエコシステムの融合によって、ユーザーにとっての安全性と収益性が同時に追求されている。

Web3・DeFi文脈において、ビットコインがスマートコントラクトや利回り戦略の外側に置かれてきた現状は、今後変化していく可能性がある。SolvBTC.AVAXの公開は、その象徴的な出来事だろう。
特に、報酬として受け取れるAVAXは、今後アバランチエコシステムの中での利用価値が拡大する見通しであり、長期的なリターンを期待できる。

SolvBTC.AVAXの登場は、Web3ビジネスやDeFi投資に敏感な層にとって、単なる技術革新ではなく、新たな収益モデルの提示でもある。
利回りの確保とリスクのバランスを保ちながらも、BTCをより戦略的に活用する道筋が、今回提示されたと言えるのではないだろうか。