パキスタン政府、ビットコイン採掘とAI向けに2000MW電力配分 余剰エネルギーの新たな活用策

2025年5月25日、パキスタン財務省はビットコイン採掘(マイニング)とAIデータセンターへの電力供給を目的とした国家プロジェクトの一環として、2000メガワット(MW)の電力を割り当てる方針を発表した。
余剰電力の収益化と外国投資の誘致を狙う戦略であるとみられている。
パキスタン、2000MWをビットコイン採掘とAIに活用
パキスタン財務省は、国内におけるビットコインマイニング(※)とAI関連のデータセンターに向けて、2000MWの電力を割り当てると明らかにした。
この計画は、政府系機関「パキスタン暗号資産評議会」の主導で実施される。
余剰電力の有効活用、ハイテク分野での雇用創出、ならびに海外からの資本誘致を柱とする広範な成長戦略の一部に位置づけられる。
エネルギー政策の転換を図るこの動きは、マイニングやAI分野を通じて経済のデジタル化を加速させる狙いもあるとみられる。
また、政府は今回の割り当てを「初期フェーズ」としており、今後さらに拡大する可能性を示唆している。
電力余剰を成長資源に エネルギー課題との両立は
本プロジェクトは、パキスタンが抱えるエネルギー問題の新たな打開策として注目できる。
同国では、電力料金の高騰や供給過剰が慢性化しているため、今回の施策は余剰エネルギーの収益化という観点からは合理的な選択肢であると考えられる。
また、太陽光発電の急速な普及により、高コストな従来電源の消費が減少する中での「マイニング」や「AI」といった電力集約型産業を受け皿とする構想は、電力需要の安定化と産業振興を両立する試みでもあるだろう。
一方で、環境負荷への懸念や、他の産業・生活部門への電力供給とのバランス確保といった課題も無視できないと考えられる。
今後は政策的な優先順位や透明性、電源構成との整合性が問われることになると思われる。
※ビットコインマイニング(採掘):高性能なコンピュータを用いて仮想通貨の取引を検証・記録し、新たな通貨を得るプロセス。多大な電力を消費する。
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