ビットコイン25万ドル説 ホスキンソン氏が語る仮想通貨の未来図

2025年4月10日、米メディアCNBCの報道によれば、カルダノ・エイダ(ADA)の創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が「ビットコインの価格は2025年か2026年に25万ドル(約3,620万円)に達する可能性がある」と述べたことが明らかになった。
この発言は、8日に録音された米CNBCのポッドキャストでのものとされており、トランプ米大統領が相互関税の一部を90日間停止すると発表する直前であった。
ホスキンソン氏の予想背景にある5つの要因
まず、ホスキンソン氏は「現在の関税政策は一時的な揺らぎにすぎず、各国は最終的に米国との安定的な交渉を望むはずだ」と述べ、トランプ政権による関税方針が市場に与える影響は長期的には限定的であるとの見解を示した。
さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が近い将来に金利を引き下げる可能性を指摘し、これがリスク資産への資金流入を促すと予想している。
加えて、世界的に仮想通貨の利用者数が増加傾向にあることも価格上昇の一因とした。これは市場の成熟に伴う自然な流れといえる。地政学的な不確実性も無視できない。
ロシアとウクライナの紛争、中国と台湾の緊張関係といった国際的リスクの高まりが、ビットコインのような非中央集権型資産への関心を押し上げる材料になっている。
また、米国での法整備の進展、特にステーブルコインに関する制度構築の加速も、市場の信頼性と参入障壁の低下に寄与すると考えられている。
これら複数の要因が複合的に作用することで、今後の大幅な価格上昇が視野に入るというのが、ホスキンソン氏の見立てだ。
投資家の心理と今後の予測
ホスキンソン氏は、仮想通貨市場が今後3〜5ヶ月間は調整局面にあると見ている。執筆時点でのビットコイン価格は約80,000ドルで推移しており、市場全体が一時的な停滞期にあるのは確かだ。
しかし、注目すべきは8月または9月に訪れるとされる投資家の関心の再燃である。
ホスキンソン氏は「夏以降、機関投資家や個人投資家の間で再び仮想通貨への注目が高まり、そこから半年から1年の間に価格が段階的に上昇する可能性がある」と語っている。
特に利下げ局面での資産再配分が起きれば、リスクマネーは株式や仮想通貨などのリスク資産に流れやすくなる構造にある。
ユーザー数の増加は単なる統計的なトレンドではなく、実需の裏付けとなる。決済や送金など実生活への浸透が進めば、ビットコインの需要は確実に拡大していく。
規制の明確化と制度の整備が並行して進むことで、仮想通貨はもはや「投機対象」から「資産クラス」へと進化しつつある。
こうした変化を見据えたホスキンソン氏の予測は、単なる希望的観測ではなく、複数の経済的・地政学的トレンドを踏まえた現実的なシナリオとも言えるだろう。
マーケットは今後、政治と経済の狭間で揺れ動く可能性が高く、投資家にとって「いつ、どこで、どれだけ」資金を投じるかの判断が、より一層重要になってくる。