中国が報復関税発表　ビットコインが下落

2025年2月4日、中国が米国の追加関税に対する報復措置を発表したことで、ビットコイン（BTC）の価格が一時3.6%下落し、9万8199ドルとなった。この動きは、米中間の貿易摩擦が仮想通貨市場に与える影響を浮き彫りにしている。

米中貿易摩擦の激化と市場への影響

米国は、中国からの輸入品に対して10%の追加関税を発動した。
これに対し、中国は米国からの石油や液化天然ガス（LNG）などの一部製品に報復関税（※）を課すと発表した。さらに中国は、グーグルに対して独占禁止法違反の疑いで調査を開始し、米国企業への規制を強化する姿勢を示している。

これらの貿易摩擦の激化により、投資家はリスク資産への投資を控える傾向が強まった。その結果、ビットコインは一時3.6%下落し、9万8199ドルとなった。また、イーサリアム（ETH）やソラナ（SOL）などの他の仮想通貨も下落している。

専門家の見解と今後の展望

HashKey Globalのマネージングディレクターであるベン・エルバズ氏は、「米中の関税をめぐる対立は、リスク資産への投資意欲を減退させ、仮想通貨市場の強気相場に影響を与える可能性がある」と指摘している。

一方、Presto Researchの投資アナリスト、ミン・ジョン氏は、「ビットコインは依然としてリスク資産のような動きをしており、米国に対する中国の報復関税は他のグローバルなリスク資産と同様に、仮想通貨に圧力をかけている」と述べている。

今後、米中間の貿易摩擦がさらに激化する場合、仮想通貨市場のボラティリティが高まる可能性がある。投資家は、貿易戦争の行方や各国の政策動向に注視し、慎重な投資判断を行うことが求められるだろう。

※報復関税： ある国が他国からの輸入品に対して関税を引き上げた際、その措置に対抗して相手国が自国への輸入品に対して課す追加の関税を指す。主に貿易摩擦や経済的な対立の際に用いられる。