仮想通貨取引所バイナンスへのマネーロンダリングおよび脱税の捜査を仏検察が拡大
2025年1月28日、フランス検察当局は、暗号資産取引所バイナンス(Binance)に対して、マネーロンダリングおよび脱税の疑いで捜査を拡大したと報じられた。
今回の捜査は、同国の国家組織犯罪対策司法局(JUNALCO)が主導し、2019年から2024年にかけて行われた違法行為が対象となっている。バイナンスのコンプライアンス体制に疑念が生じており、同社の今後の動向が業界全体に影響を与える可能性がある。
フランス検察の捜査背景と焦点
フランス当局は、バイナンスが適切な顧客確認(KYC)およびマネーロンダリング防止(AML)対策を講じていたかについて調査している。麻薬密売や脱税に関連する資金洗浄の疑いが浮上しており、フランス国内での営業許可を取得する前に、インフルエンサーやソーシャルメディア広告を通じて違法に顧客を勧誘していた可能性が指摘されている。
この捜査は2023年6月に開始され、バイナンスを利用した投資家からの苦情が相次いでいる。投資家の中には、不正確な情報提供により損失を被ったと主張する者もおり、これらの訴えが捜査拡大の一因になったようだ。
また、バイナンスは2023年に米国司法省との和解により、約43億ドル(約6700億円)の罰金を支払った。創業者のチャンポン・“CZ”・ジャオ氏も、銀行秘密法(BSA)違反により実刑判決を受けている。
こうした背景もあり、フランス検察は同社の経営体制と責任の所在について精査を進めている。
バイナンスの対応と業界への影響
バイナンスは、これらの容疑を全面的に否定し、フランス当局の捜査決定に対して深い失望を表明した。同社は声明で「今回の調査は過去の問題に基づいており、コンプライアンス体制を大幅に強化している」と主張している。また、新たなCEOであるリチャード・テン氏の下、従業員数の増加や規制対応への投資を進めていることも強調している。
一方、今回の捜査が暗号資産業界全体に与える影響は計り知れない。
フランスを含むEU各国は、デジタル資産市場を監視し、規制強化を進める意向を示している。バイナンスの捜査結果次第では、業界の透明性向上が求められることになるだろう。
バイナンスは今後、法的対応を迫られる場面が増えると予想される。同社がどのように立ち回るかによって、業界の方向性が変わる可能性もあると思われる。
規制当局と市場の緊張関係が続いているため、投資家や利用者は、今後の展開を注視する必要がありそうだ。
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