AWSジャパン、2025年パートナー戦略を発表　生成AIやクラウド移行支援を軸に市場拡大を狙う

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社（AWSジャパン）は2025年5月8日、日本国内におけるクラウド市場の拡大を見据え、2025年のパートナー戦略を発表した。
生成AIやクラウド移行、デジタルマーケットプレイスの強化、人材育成を中核とするこの戦略は、国内企業のDXを加速させる布石となり得る。

生成AIとクラウド移行を柱に支援体制を構築へ

今回AWSジャパンが掲げた戦略の中心には、生成AIの実装支援が据えられている。
インフラには、同社独自のAIチップ「AWS Trainium」や「AWS Inferentia」、開発基盤「Amazon SageMaker AI」が活用され、アプリケーション層では「Amazon Bedrock」を介して複数の大規模言語モデルの活用を可能にする構成が提示された。

2024年には、AWSを活用した生成AIの高度なスキルを持つパートナーを認定する「生成AIコンピテンシー」というプログラムも開始しており、2025年は「より多くのパートナー企業に認定を取得してもらい、専門性の指標とする。そのための技術支援を実施する」としている。

クラウド移行分野では、「ITトランスフォーメーションパッケージ」を通じた具体的な支援が特徴となる。特に、沖電気工業の移行プロジェクトにおいては、パートナー企業SCSKとの連携により、安全かつ効率的なクラウド移行が計画されており、その実行性が注目されている。

AWS Marketplaceに関しては、日本市場向けの機能拡充が行われており、円建て決済や日本の税制への対応が進むことで、国内顧客の導入ハードルが下がると考えられる。

人材育成の側面では、AWSが新たに導入した「AI Practitioner認定」などの資格制度や、600以上のトレーニングコンテンツを備える「AWS Skill Builder」が中心的な役割を担っている。

今後の展望

AWSジャパンが掲げたパートナー戦略は、生成AI、クラウド移行、AWS Marketplaceの強化、人材育成の4本柱を通じて、日本企業のDXを加速させる基盤を築くものと考えられる。

特に、生成AIの分野では、Amazon Bedrockを中心とした多様な基盤モデルの提供により、企業は自社のニーズに合ったAIソリューションを柔軟に選択・導入できる環境が整いつつある。

クラウド移行に関しては、ITトランスフォーメーションパッケージを通じた支援が進められており、パートナー企業との連携による安全かつ効率的な移行が期待される。
さらに、AWS Marketplaceの日本市場向け機能拡充により、国内企業のクラウドサービス導入のハードルが下がり、多様なソリューションの活用が促進されると予想される。

人材育成の面では、AI Practitioner認定資格や「AWS Skill Builder」を通じたトレーニングコンテンツの提供により、パートナー企業のスキル向上と内製化支援が強化されている。
これにより、企業は自社内での開発・運用体制を構築し、迅速な意思決定と対応が可能となるだろう。