API脆弱性が前年比1,025%増加 AI時代のセキュリティ課題とは?

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2025年1月29日に発表されたWallarmの「API ThreatStats Report」によると、API(※)脆弱性が前年比1,025%増加したことが明らかになった。特にAI関連の脆弱性が急増しており、サイバー攻撃のターゲットとしてAPIが注目されている。生成AIの普及により、APIの脆弱性が新たなリスクを生む状況が浮き彫りになった。企業や開発者にとって、APIのセキュリティ対策がますます重要になっている。

※API(Application Programming Interface):ソフトウェアやサービス間でデータをやり取りする仕組み。開発者が特定の機能を利用できるようにするためのインターフェース。

目次

AIの普及に伴うAPI脆弱性の急増とその原因

API脆弱性の急増は、AI技術の進化と密接に関連している。特に生成AIの導入が進む中、APIはAIモデルとアプリケーションを接続する重要なインターフェースとして機能する。しかし、この接続点が攻撃者にとって格好のターゲットとなり、セキュリティリスクが急激に増大している現状だ。

API ThreatStats Reportによると、AIに関連する脆弱性の99%がAPIに起因しており、特に注入攻撃、設定ミス、メモリ破損などが主な要因とのことだ。AIを利用したAPIの57%が外部からアクセス可能であり、89%が不十分な認証メカニズムに依存している点も大きな問題点として報告されている。攻撃者はAPIを経由することで、大規模なデータ侵害や不正アクセスを試みることが可能となってしまっている。

企業への影響と今後のセキュリティ対策

APIの脆弱性が企業に与える影響は非常に深刻だと言える。データ漏洩や機密情報の流出が発生すると、企業の信頼性が損なわれ、顧客離れや経済的損失を引き起こす可能性がある。

たとえば、DellやTwilioなどの大手企業では、API侵害により数千万件ものデータが流出した事例が報告されている。さらに、API侵害のコストは高額で、被害を受けた企業の47%が50万ドル以上の損失を被ったという。

企業は、データ保護規制(GDPRなど)への違反リスクを避けるため、適切なセキュリティ対策を講じる必要がある。今後、ゼロトラストアーキテクチャ(※)やリアルタイム監視、異常検知の導入が進むことが予想される。これにより、APIを介した攻撃を未然に防ぐための効果的な対応が求められるだろう。

※ゼロトラストアーキテクチャ:ネットワーク内外を問わず、すべてのアクセス要求に対して信頼しないというセキュリティモデル。認証・認可が重要で、最小限のアクセス権限を付与することが基本方針となる。

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