ニュウジア、AIアパレル試着 動画生成機能を発表 ECの販促革命へ

2025年5月1日、スタートアップのニュウジアが、AIを活用したアパレル向け新機能「AIアパレル試着 動画生成」をリリースした。
静止画では伝わりづらかった素材感や着用感を、短尺の動画で再現することで、ECサイトやSNS上の販促施策に革新をもたらす可能性がある。
静止画から動きのある試着体験へ 販促動画の生成が自動化可能に
ニュウジアが提供する「AIアパレル試着 動画生成」機能は、商品写真をもとにAIモデルが着用した映像を自動生成する仕組みだ。
動画では、服の揺れやシルエットがリアルに表現される。
従来の静止画では把握しきれなかった素材の動きやフィット感を補完し、購買意欲の喚起に貢献することが期待される。
この機能の中核を担うのが、数十億点の動画データを学習した独自のAIエンジンである。
人間の自然な動きや表情、照明効果など、撮影スタジオでの演出に近いビジュアルを演算処理によって再現可能とした。
特に素材感の再現性が高く、シルクやリネンの柔らかな揺れ、ウールの重厚感などを忠実に描写する点が特徴的だ。
これにより、従来必要だったモデルの手配や撮影スタジオの確保、編集作業といった工程が不要となり、1コンテンツあたりの制作コストを大幅に削減できると考えられる。
コスト最適化とUX向上の両立へ 動画販促がアパレル業界に浸透か
今回の新機能は、特に中小規模のECブランドやSNSベースのD2C(※)事業者にとって大きな利点をもたらすだろう。
これまで予算や制作リソースの制約から動画コンテンツ制作に踏み出せなかった企業にとって、AIによる自動生成は打開策となる可能性が高い。
特に、ラインナップが頻繁に入れ替わるファッション業界においては、極めて高い運用効率を実現するだろう。
また、購入前に実際の着用感を動画で確認できる点は、オンライン購入に伴う「サイズ感が合わない」「想像と違った」といったトラブルの予防にもつながると思われる。
ユーザー体験(UX)の向上と、返品率の低減は、企業にとって直接的な利益改善に結びつくだろう。
一方で、課題も残る。
たとえばAIモデルの身体的多様性や人種・年齢バリエーションへの対応、ブランドごとの独自表現への適合性など、パーソナライゼーションの精度が今後の鍵となるだろう。
※D2C(Direct to Consumer):ブランドが中間業者を通さず、直接消費者に商品を販売するビジネスモデルのこと。