OpenAIのサム・アルトマンCEOと、トランプ米大統領が、中国のAIスタートアップDeepSeekが開発した大規模言語モデル「DeepSeek-R1」に注目している。

アルトマンCEO、DeepSeek-R1を高く評価

アルトマンCEOは自身のX(旧Twitter)アカウントで、次のようにコメントした。「DeepSeekのR1は、特に価格に見合う性能という点で、印象的なモデルだ。我々は、より優れたモデルを提供するだろう。そして、新たな競合が現れるのは、正直に言って刺激的だ！」
DeepSeekが米企業よりもはるかに少ないGPUで高性能なAIモデルを開発した点に注目し、AI業界における競争の激化を歓迎する姿勢を見せていることが窺える。

アルトマンCEOは、OpenAIが今後もAI研究開発に力を入れていくことも表明した。AGI（汎用人工知能）の実現に向け、さらなる革新的なAIモデルの開発を目指すとしている。

DeepSeek-R1の登場は、AI業界における競争はますます激化させると見られ、他の企業にも大規模言語モデル開発への参入を促す可能性がある。
AI技術の進歩が加速することが期待される。

トランプ氏、DeepSeekの技術に警鐘

一方、トランプ米大統領は1月27日、「中国企業のAIであるDeepSeekの発表は、われわれの業界にとって、勝つためには競争に全力集中する必要があるという警鐘となるべきだ」と語った。中国企業がAIにおいてより高速な手法を考案したことは良いことであると考えているようだ。

トランプ氏の発言は、DeepSeek-R1の出現により、世界的にテクノロジー株が売り込まれたことを受けてのものだ。

彼はさらに、中国のAI開発企業について言及した。
「私は中国のいくつかの企業が、AIのより高速な手法を、それほど高価ではない方法で開発していると読んでいる。多額のお金を使う必要がないのは良いことだ。私はそれをポジティブに、資産として見ている」と述べた。

また、中国の指導者から、「米国には世界で最も優秀な科学者がいる」と言われたことも明かし、中国の産業界がより安価なAI技術を開発すれば、米国企業が追随する可能性があると言及した。「それほどお金をかけずに同じ結果を得られるだろう」と述べている。

まとめ

両氏の発言は、AI分野における競争の激化と、中国企業の技術力向上に対する警戒感を示すものだ。同時に、米国企業がより効率的かつ安価なAI技術を開発することへの期待を表明したものであるとも言える。