AIアバター「日月和姫」　三重県明和町で観光案内を開始

2025年2月25日、三重県多気郡明和町は、AIを活用した観光案内システムを試験導入した。

町の公式アバター「日月和姫（ひづき・なごみ）」が、大型モニターを通じて観光情報を提供する。

この取り組みは、人手不足やインバウンド需要の高まりに対応し、デジタル技術を活用した観光振興を目指すものだ。

導入の背景とシステムの特徴

明和町の観光案内所では、観光客の増加に伴いスタッフ不足が深刻化している。特に伊勢参りなどで訪れる観光客への対応が課題となっていた。

さらに、外国人観光客の増加により、多言語対応の必要性も高まっている。これらの課題を解決するため、明和町はAVITA株式会社と連携し、「めいわデジタル観光プロジェクト」を推進している。
その一環として今回、AIアバター「日月和姫」を活用した観光案内システムが導入された。

このシステムでは、大型モニターに映し出された「日月和姫」が、観光客に親しみやすく情報を提供する。音声対話機能を備えており、旅行者の質問にAIが応答する仕組みだ。

AIは、観光地の歴史やおすすめスポット、交通手段などを分かりやすく説明することが可能で、地元の特産品やイベント情報の案内にも対応する。
利用者の質問データを蓄積し、適宜学習することで、回答の精度を向上させる仕組みも導入されている。

現在は日本語のみの対応だが、将来的には英語、中国語、韓国語など多言語対応を予定している。また、利用者からの問い合わせ内容をもとにAIの情報を定期的に更新し、サービスの質を向上させる計画だ。

今後は、スマートフォン向けのアプリ連携や、駅や宿泊施設での案内システムとの統合も検討されている。

期待される効果と今後の展望

このシステムの導入により、スタッフの負担軽減が期待されている。AIが簡易な質問に対応することで、スタッフはより複雑な問い合わせに集中できるようになるだろう。

また、すべての観光客に均等な情報提供が可能となり、サービスの質も向上できると見込まれている。

さらに、地域資源を活用した観光客の増加により、地域経済の活性化も期待されている。

たとえば、地元の飲食店や土産店と連携し、アバターが観光客におすすめの店を案内することで、消費の促進にも寄与すると考えられる。

明和町観光協会は、この新しいシステムが話題となり、地域の活性化につながることを期待している。地元住民や観光客からも、このシステムに対する期待の声が上がっている。

今後は、システムの機能拡張や他地域への展開も視野に入れており、成功事例として他の地域でも導入される可能性がある。

また、自治体や企業と連携した観光プロモーションへの発展にAIを活用を進めることも検討されている。