AIが“自分好みの乗り心地”を作り出す時代へ BESVの新型e-Bikeが切り拓く電動アシストの未来

2025年4月15日、日本の電動アシスト自転車メーカーBESV JAPAN(ベスビージャパン)が、AIラーニング機能(※)を搭載した次世代e-Bike「PSA2」「PSF2」を正式発表した。従来の電動アシスト自転車とは一線を画す次世代のミニベロ型電動アシスト自転車として注目を集めている。
AIがライダーを学ぶ 個別最適化を実現したBESVの次世代e-Bikeの仕組みと可能性
本モデルの最大の特徴は、走行中にAIがライダーのペダル操作や速度、斜度といったデータをリアルタイムで分析し、アシスト出力を個別に最適化していく点にある。
これにより、坂道でのアシスト過剰や平坦路での反応遅延といった従来のストレスが軽減される設計となっている。
技術面でも大幅な進化が見られる。耐久性と反応性を兼ね備えた新型トルクセンサーを採用し、AIとの連携によってスムーズかつ自然なアシストを実現する。
さらに、操作性と視認性が向上した新型ディスプレイを装備し、従来モデル以上の使いやすさを提供している。
これらのモデルはBESV独自のスマートアルゴリズムを活かした「スマートモード」により、走行中の挙動に応じたきめ細かなアシスト制御が可能となる。
また、ファームウェアの更新や不具合チェックは専用アプリ「BESV Smart Plus APP」を通じて行えるため、ライダーは常に最適な状態で走行を維持できる。
PSA2の価格は25万8000円(税込)、PSF2は31万8000円(税込)と、ハイエンド寄りの設定だが、AIアシストによる利便性と快適性を考慮すれば、価格以上の価値があると評価できる。
いずれのモデルも2025年6月に国内発売予定で、豊富なカラーラインナップも魅力のひとつだ。
AIアシストが切り拓く自転車市場の未来 ユーザー層・競合・今後の拡張性を読み解く
BESVの新型モデルは、特に都市部での通勤・通学、週末のレジャー利用を想定したユーザーに適している。小径ながら高性能なアシスト性能とスタイリッシュなデザインを兼ね備えており、スマートな移動を求める都市生活者にとって、有力な選択肢となるだろう。
また、今回搭載されたAIは単なる機能追加にとどまらず、e-Bikeの未来を切り拓く可能性を秘めている。将来的にはライダーの健康状態や疲労度、さらには走行予定ルートに応じた事前アシスト設定など、より高度なパーソナライズが可能になるかもしれない。
こうした機能が一般化すれば、電動アシスト自転車は高齢者やリハビリ目的のユーザーにも広く応用されるだろう。AIが走行リスクを検知し、安全性を高める補助装置として機能する未来は、そう遠くない。
国内外の競合製品と比較しても、BESVのAIによるパーソナライズ機能は際立っており、他社との差別化を図る上で強力な訴求ポイントになると考えられる。
今後、この流れに続くメーカーがどのような体験価値を提示してくるのか。e-Bike市場の変革は、すでに始まっている。
※AIラーニング機能:人工知能(AI)が使用者のデータを学習し、個々に合わせた自動最適化を行う技術。近年はスマート家電やモビリティ領域での応用が進んでいる。