トランプ米大統領　中国初のAI「DeepSeek」を評価　米企業に対し奮起促す

2025年1月27日、トランプ米大統領が中国の新興企業DeepSeekの生成AI技術を評価し、米企業に競争を促した。低コストで高性能なAIを開発したDeepSeekの成果は、米国のAI産業に警鐘を鳴らすものとなっている。

しかし同時に、トランプ氏は米国の科学技術力に自信を示していることから、AI分野における更なる競争を期待しているようだ。

中国AIの躍進が米国に衝撃を与える　低コストでの開発ながら高性能な生成技術　

トランプ米大統領は、中国の新興企業DeepSeekが開発した生成AI技術について言及し、米国のAI業界に奮起を呼びかけた。DeepSeekの最新AIモデル「R1」は、トランプ米大統領の就任日である1月20日に公開され、瞬く間に注目を集めた。

中国製のAIであるR1は、米国の最先端モデルに匹敵する性能を持ちながら、開発コストを大幅に抑えることに成功したようだ。米メディアの報道によると、DeepSeekは基本モデルの開発に約560万ドル（約8億6700万円）程度に抑えていると言われており、これは競合他社の10分の1以下の金額だという。

米国の技術力への自信と競争の呼びかけ

トランプ氏は、DeepSeekの技術を「真正なものならば、前向きなものだ」と評価しつつ、米国企業にとっては「警鐘となるべきだ」と述べた。
同氏はDeepSeekの「それほど多くのコストを使わずに、同じクオリティーの結果が得られている」点を評価し、これを「ポジティブに、資産として見ている」と語った。

一方で、トランプ米大統領は米国の科学技術力に強い自信を示している。
「世界で最も偉大な科学者たちが米国にいる」と述べ、中国の指導者でさえそれを認めていると主張した。そのうえで、「我々は競争して勝つことに集中する必要がある」と、米国企業に奮起を促した。

この発言を受け、27日の米国株式市場ではテクノロジー関連株が軒並み急落し、大きな注目を集めることとなった。DeepSeekの台頭は、現在AI分野を主導する米国主要企業の優位性を脅かす可能性があるとの懸念が広がっているためだ。

トランプ政権は今後、半導体の輸出規制や国内製造への補助金など、AI関連政策の見直しを迫られる可能性がある。

中国企業の急速な技術革新は、米中のAI開発競争をさらに加速させるだろう。

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