対話AI「ブッダボットプラス」　AI技術が仏教に与える影響とその可能性

2025年2月3日、京都大学などの研究グループが開発した対話型AI「ブッダボットプラス」が、ブータンで試験的に導入されることが明らかになった。
AIは仏教の教えへのアクセス向上や教育のデジタル化を推進する一方で、宗教の本質を希薄化させる懸念もある。
本記事では、AI技術が仏教に与える利点と課題について詳述する。

ブッダボットプラス導入の背景と技術的進化

ブータンはチベット仏教を国教とする国であり、仏教の教えが人々の日常生活に深く根付いている。しかし近年、都市化やグローバル化の影響で若者の仏教への関心が低下している状況にある。こうした課題に対応するため、京都大学を中心とした研究チームが開発したのが「ブッダボットプラス」だ。

初代ブッダボットは2021年に開発され、仏教経典を基にした対話型AIとして注目を集めた。2023年には、初代の機能をさらに発展させ、ChatGPTを活用した「ブッダボットプラス」が誕生。この新バージョンは、単なる経典の引用だけでなく、経典の文言の解釈や説明も可能となり、より深い対話を実現する。仏教の教えを現代のテクノロジーで広める試みとして、特に若年層へのアプローチが期待されている。

AI導入による仏教の利点と懸念

AI技術は、仏教の教えを広めるための強力なツールとなりつつある。
まず、アクセスの向上が挙げられる。AIを活用した対話型システムは、経典に基づいた回答を提供し、物理的に寺院へ行くことが難しい人々でも仏教の教えに触れやすくなる。

一方で、AIの僧侶やデジタルプラットフォームが普及することによって、信者が直接的な人間関係やコミュニティとのつながりを失うリスクが指摘されている。これにより、仏教の深い教えが単なる情報やエンターテインメントとして消費される危険性がある。

仏教はAI技術の対話型システムにより、寺院へ行けない人々も経典に基づく教えに触れやすくなる。一方で、AI導入により人間関係やコミュニティとのつながりが希薄化し、仏教の深い教えが単なる情報として消費されるリスクも指摘されている。
今後は、AIの利便性を活かしつつ、人間同士のつながりや信仰の本質をどう維持するかが重要な課題となるだろう。

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