イーデザイン損保　生成AI活用の業務支援ツールを開発

イーデザイン損害保険株式会社は、2025年1月29日、生成AI技術を活用した新たな業務支援ツールを開発したと発表した。このツールは事故対応サービスに特化しており、社員が迅速かつ正確に業務を遂行することを支援する。これにより、保険金の迅速な支払いと顧客体験の向上が期待される。

生成AI技術の導入背景

同社は、インシュアテック企業としてデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進している。2024年4月からは、全社員向けにセキュアな環境でChatGPTを展開し、生産性向上と業務効率化を図ってきた。
今回開発されたツールは、RAG（Retrieval-Augmented Generation）技術（※）を活用しており、社員が質問を入力すると、AIが社内のマニュアルや保険約款解釈の事例、FAQなどを参照し、迅速に回答を提供する。

RAG（検索拡張生成）技術：AIが外部データベースを検索し、取得した情報を基に回答を生成する技術。正確性を高めつつ、迅速な情報提供を可能にする。

事故対応業務の課題とツールの効果

事故対応業務では、法令や保険約款、車両や医療の知識、過去の裁判例など、多角的な情報を基に適切な判断が求められる。しかし、これらの情報が分散しているため、社員が判断する際に時間や労力がかかるという課題があった。
新ツールをセカンドオピニオンとして活用することで、迅速な判断が可能となり、保険金支払いのスピードアップや業務効率化による顧客体験の向上が期待される。

ハルシネーションリスクへの対応

生成AIには、事実と異なる情報を生成する「ハルシネーション」というリスクがある。そのため、同社ではツールを参照用として活用し、最終的な判断は社員が行う体制を取っている。これにより、AIの利便性を活かしつつ、判断の正確性を確保している。 

この新しい業務支援ツールの導入は、イーデザイン損保がDXを推進し、業務効率化と顧客サービスの向上を目指す重要なステップとなる。