ピアラとACROVE提携、「Retail Spark」導入でEC売上120%増の実績

2025年5月1日、ピアラとACROVEが業務提携を発表し、SNSを活用して確実にリーチと売上創出を目指す新サービス「Retail Spark」の提供を日本国内で開始した。
本提携は、短期的な広告施策に頼らず、戦略的なマーケティングモデルの構築を目指すものである。
認知から購入へ SNSとECを横断する新たな購買導線
「Retail Spark」は、SNSによる認知拡大から実際の購買行動へと利用者を自然に誘導する、新たなマーケティング支援サービスである。
TikTokやInstagramを中心としたSNS上の施策で認知を獲得し、その熱量を保ったままECモールや実店舗での購入につなげる導線を設計している点に特徴がある。
サービスの設計思想には、短期的なリスティング広告やインフルエンサー起用だけに頼らず、商品やブランドに対する持続的な関心を高め、売上として回収できるマーケティングモデルを構築するという意図がある。
すでに先行導入されたクライアント企業では、売上が120%増加したという具体的な実績も報告されている。
この提携の中核を担うピアラは、SNSとPR領域において豊富な知見とネットワークを保有しており、生活者の感情を動かす訴求設計に強みを持つ。
一方のACROVEは、D2C(※)ブランドやECモール事業者へのコンサルティング、販売戦略立案において成果を上げており、両社の補完関係が本サービスの骨格を形成している。
※D2C(Direct to Consumer):企業が中間業者を介さずに消費者へ直接商品を販売するビジネスモデルのことである。ブランドコントロールがしやすく、利益率が高い点が特徴。
戦略的マーケティングモデルの普及が業界全体に与える波紋
「Retail Spark」は今後、ACROVEが既に支援しているEC事業者を皮切りに導入が進められる予定である。将来的には、幅広いD2Cブランドやモール型EC事業者への拡大も視野に入れているようだ。
若年層を中心に商品認知がSNS主導で形成される現代において、本サービスのような“認知から購買までを一貫して設計する”モデルの需要は高まっていくと予想できる。
加えて、本提携は広告費を大量投下する旧来型のマーケティングから脱却し、ROI(投資対効果)を可視化できる形での施策運用を実現するという点で、業界に対して強い示唆を与えるものだと言える。成果が出なければ支出も抑えられるという構造は、広告に対する企業の姿勢を根本から変える可能性を秘めている。
広告疲れが指摘される現代では、より生活者に寄り添った、信頼性あるマーケティングの期待が高まっている。ピアラとACROVEの協業からは、今後も目が離せないだろう。