NFTを通して日本の牡蠣業界を変えるAbyss Crypto
国内ではNFTを活用した課題解決を行うプロジェクトが普及し始めています。
その中でも水産業の課題を解決するためのNFTプロジェクトが立ち上がっています。
NFTを通して日本の牡蠣業界を変えることを掲げているAbyss Cryptoは、NFT所有者には牡蠣若手の会のECサイトの割引や牡蠣や他の海産物のプレゼントがある等、NFTを通して消費者が水産業に興味を持ってもらえるような仕組みを構築しています。日頃水産業と関わりがない方もNFTを購入することで水産業と関わる新たなきっかけとなり、一次産業をエンパワーメントする手段となっていますので、当該NFTプロジェクトを考察します。
Abyss Cryptoとは
Abyss Cryptoとは、「NFTを通して牡蠣業界の課題を解決し、牡蠣業界を持続可能な産業へ」というビジョンを掲げる合同会社WaterGate代表の杉村氏が設立したDAOを通したNFTプロジェクトです。本プロジェクトでは、NFTを通して日本の牡蠣業界を変える事を目標としており、トークンとNFTを活用した牡蠣のEat To Earnを行います。
具体的には、牡蠣若手の会と一緒になり、NFTを用いて通販サイトでの販売促進やオフラインでのイベントの集客などを行い、牡蠣業界が抱える問題や地域課題を解決する活動を進めています。
Abyss Cryptoの概要
Abyss Cryptoの概要について、牡蠣若手の会で牡蠣等の商品を購入し、牡蠣ポータルというサイトにて注文番号と電話番号を申請することで牡蠣コインを入手することができます。次に、牡蠣コインを貯めると牡蠣レベルが上昇し、牡蠣コインを使用することでNFTを入手でき店舗特典、EC特典を受けることができます。またNFTを売却による利益を得ることができるものです。
牡蠣若手の会とは
牡蠣若手の会は日本の牡蠣業界が抱える問題を解決し、牡蠣業界を持続可能な産業にするために結成されたチームであり宮城県、石川県、広島県、徳島県、福岡県、鹿児島県の漁師と設立者が参加し、日々活動をしています。
現在の牡蠣業界は「過酷な労働にも関わらず薄利」「後継者不足」「広告宣伝のための時間と予算不足問題」等の問題を抱えており、牡蠣若手の会はこれらの問題を解決し、牡蠣漁師という職業が稼げて憧れられるように変えることで、牡蠣産業を持続可能な産業にすることを目指します。
Abyss CryptoのNFT
Abyss CryptoのNFTのデザインは、牡蠣の購入により得られる牡蠣コインで購入することができ、キャラクターが着ているカッパは様々な魚をモチーフにし、他にも牡蠣のバッジやマスク、肌色や髪型等多くの種類のデザインを揃えており、色の使い方にもこだわっており、アートとして楽しめます。また、NFTに関しては下記のような特徴があります。
NFTミント時のガス代が不要
NFTをミントする際にガス代は不要です。NFTプロジェクトの多くはNFTを購入するために暗号資産を持つ必要があることが多く、NFTのマスアダプションに課題がありました。その課題を解決するために、本プロジェクトではガス代不要でNFTを入手可能です。
NFTを活用した牡蠣業界の問題解決
牡蠣若手の会で購入することにより牡蠣コインを入手し、牡蠣レベルが上がる楽しさに加え、レベル上昇につき牡蠣コインを使用してNFTを無料で入手できます。そして、上述の通り牡蠣若手の会ではNFT保有者が5%オフで購入可能です。牡蠣業界含む日本の一次産業を持続可能な産業にするためには生産者の利益率を向上させる必要があり、その課題を解決する手段となっています。
ふるさと納税
ふるさと納税の食品に関しては、NFTもセットで返礼品とすることで、NFTにすでに触れている方や興味を持っている方から、注目される可能性があり地方創生にも繋がるため牡蠣とNFTの返礼品を開始しています。具体的な返礼品は鳴門市を代表する絶品ブランド牡蠣「渦潮チャンピオン」とNFTであり、主なNFTの特典は下記です。
NFTの特典
NFTの特典は、牡蠣若手の会の通販サイトにて「超巨大渦潮キング」を購入可能になることや徳島県鳴門市「Oyster Professional」訪問時に牡蠣が一個無料になる、牡蠣を好きな方々が情報交換を行いお得な情報なども配信される牡蠣コミュニティ「カキタベタイ」に参加可能になることです。
このようにふるさと納税におけるNFTの特典により、現地に訪れても遠方にいても鳴門市の牡蠣を楽しめることができ、水産業の消費者との新たな繋がりを形成する事例となっています。
Abyss CryptoはNFTで新たな水産業の消費者との繋がりを創出することを目標に、本ふるさと納税を成功させ、他の地域でもコインNFTを展開することを目指しています。また、コインの背景には各地域の名所がデザインされ、コインを集める楽しさも経験頂ける設計を目指しています。
今後の展望
Abyss CryptoのNFTプロジェクトを通して、プロダクトを持つ事業者がNFTを活用するメリットが見えてきました。具体的にNFTを活用することで下記2つのメリットを得ることができるため、例えば牡蠣以外の農作物や水産業、アパレル等幅広い業種の方もプロジェクトを盛り上げるために今後NFTを活用した事例は増えていくと考えられます。
消費者がプロジェクトへ、より能動的に関わるインセンティブが生まれる
例えば今回の場合、Web3のトークノミクスを使わない場合(ポイント)で考えてみると、お金及びポイントが動く要素は「牡蠣の購入(ポイント付与)」と「牡蠣の購入(ポイント消費)」のみとなり、基本的には消費者がどんな行動をしようと得られるメリットは一定となります。
①牡蠣を購入することでポイントを得ることができる
②そのポイントを使用することで牡蠣を安く購入することができる
Web3のトークノミクスを使用した場合だと、お金及びトークンが動く要素は「牡蠣の購入(牡蠣コイン付与)」、「NFTの購入(牡蠣コインの消費)」、「店舗、ECでの商品購入」「NFTの転売」と増え、牡蠣コイン及びNFT保有者はそれらの価値を上げる(=プロジェクトを盛り上げる)ことにより対価を得ることができるので、金銭的なインセンティブが生まれます。
①牡蠣を購入することで牡蠣コインを得ることができる
②牡蠣コインを使用してNFTを購入することができる
③NFTを所有することで特典(店舗、EC)を受けることができる
④NFTを転売することもできる
商品への信頼性の向上
Abyss CryptoのようにNFTの発行主体である企業が顔を出すことにより、企業と消費者が直接繋がることができると共に商品の生産元も一目でわかるため商品への信頼度も上がる期待ができます。
これはスーパーの野菜ゾーンにある生産者の顔写真の展示による効果と一部似ていますが、NFTは一方的な情報開示ではなく相互的、また、証明している主体が第三者(=スーパー)ではなく本人であることから、より商品の信頼度を向上させるための方法として今後も期待できます。
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参考文献
- サムネイル及び見出しの画像は牡蠣若手の会公式サイト、かAbyss Cryptoリリースのプレスリリースから引用
- ふるさと納税に関するプレスリリース