猫型配膳ロボのPudu、AI搭載の新型セミヒューマノイド「FlashBot Arm」を発表

中国のロボットメーカーPudu Roboticsは2025年3月31日、商業向けの新型サービスロボット「FlashBot Arm」を発表した。
本機は、既存の配送ロボット「FlashBot」にロボットアームと高度なAI技術を統合したモデルであり、ホテルやオフィス、医療施設など多様な環境での活躍が見込まれている。高度な空間把握能力や、マルチモーダル対話機能を備え、業務効率の向上に貢献すると期待されている。
FlashBot Armの技術革新と導入メリット
Pudu Roboticsが開発した「FlashBot Arm」は、商業施設向けのセミヒューマノイド型AIロボットである。
最大の特徴は、7自由度の二本腕と11自由度の巧妙手「PUDU DH11」を搭載し、ボタン操作や物品の運搬が可能な点にある。これにより、従来の自律走行型ロボットでは対応が難しかった複雑な作業をこなせるようになった。
また、AI技術の活用により、音声やジェスチャー、表情などのマルチモーダルな対話が可能となり、ユーザーと自然なコミュニケーションを実現できる。
さらに、VSLAM(※)およびレーザーSLAM(※)を組み合わせた高精度な空間把握技術を備えており、狭い通路や複雑な環境下でもスムーズな移動を可能にする。
導入のメリットとして、既存のインフラに大きな改修を加えずに導入できる点が挙げられる。ロボットの適用範囲は広く、ホテルのルームサービスやオフィスでの配送、病院での薬剤運搬など、さまざまな業務での活用が見込まれている。
開閉式のコンパートメントを備えており、物品の安全な運搬が可能であることも、導入の決め手となる要素の一つだ。
※VSLAM(Visual Simultaneous Localization and Mapping):カメラ映像を用いて自己位置推定と地図作成を同時に行う技術。
※レーザーSLAM:LiDAR(レーザー光を照射し、その反射時間を測定することで物体までの距離や周囲の形状を高精度に把握する技術)を活用し、高精度な位置特定を可能にする技術。
AI搭載型ロボットの展望
「FlashBot Arm」の発表に対して、業界内からは高い関心が寄せられるだろう。
特に、近年の労働力不足を背景に、サービスロボットの需要は拡大していると思われるため、Pudu Roboticsの新モデルはその流れを加速させると考えられる。
ロボット導入の進展は、多岐にわたる産業の業務負担を軽減し、労働者がより高度なサービスに注力できる環境を構築するだろう。
今後の展望として、Pudu Roboticsはさらなる機能拡張を計画していると思われる。
たとえば、より高度なAIを活用した業務自動化の強化や、特定業種向けのカスタマイズモデルの開発が考えられる。また、他の業界と連携し、ロボットとIoT技術を組み合わせた統合管理システムの実現も視野に入るだろう。
こうした動きが加速すれば、「FlashBot Arm」は単なる配膳・配送ロボットの枠を超え、次世代の商業サービスに欠かせない存在になるのではないだろうか。