米ナスダック上場のStrategy、約19億ドルのBTCを追加購入を発表

2025年3月31日、米ナスダック上場企業のStrategy(ストラテジー)が、約22,048BTCを約19.2億ドル(約2,880億円)で追加購入したと発表した。
約2,880億円分のBTC購入で保有量52万BTC超
米テクノロジー企業Strategyは、2025年3月24日から30日までの間に22,048BTCを新たに取得したと公表した取得総額は約19.2億ドルにのぼり、1BTCあたりの取得価格は約86,969ドルとなる。
今回の購入により、同社が保有するビットコインの総量は528,185BTCに達した。
この動きは、同社が暗号資産を単なる投資対象ではなく、企業資産として本格的に位置づけている証左といえる。
特に注目すべきは、2025年初頭からのビットコイン利回りがすでに11.0%に達している点だ。これは、依然として価格変動が激しい暗号資産市場において、長期戦略としてのビットコイン保有が利益を生んでいる実績を示している。
なお、同社はビットコインの取得資金として、3月18日にシリーズA永久ストライフ優先株式(STRF)(※)の発行計画を発表している。
これは、運転資金およびBTCの追加購入資金の確保を目的としたものであり、外部からの資金調達を積極的に活用している姿勢を示すものである。
※シリーズA永久ストライフ優先株式(STRF):配当の優先権を持ちつつ、償還期限が定められていない特殊な株式形態。企業が長期的な資金調達を行う際に用いられる。資本構成の柔軟性を高める手段として注目されている。
戦略的BTC購入がもたらす影響と今後の展望
StrategyによるBTCの追加購入は、暗号資産を企業資産として本格活用する象徴的な動きであるといえる。
今回の購入価格は、過去の投資戦略がすでに成果を上げていることを示すものであり、財務面での評価益にもつながっていると考えられる。
また、シリーズA永久ストライフ優先株式(STRF)による柔軟な資金調達を行っている点は、企業の資本構成を硬直化させずに長期投資を可能にしている要素であるといえるだろう。
一方で、デメリットも無視できない。
ビットコインの価格が急落した際には、巨額の含み損を抱える恐れがあり、企業経営の安定性を損なう可能性がある。
また、STRF発行の外部資金に頼る戦略は長期資金調達手段としては優れているものの、一定の利益を確保し続けなければならない点には注意が必要だろう。
今後の展開として、Strategyのようにビットコインを戦略資産と位置づける企業が増加する可能性がある。
特に、米国における現物ETFの普及や規制環境の整備が進めば、法人による暗号資産の保有が一段と一般化していく見通しだ。