70代男性、AI投資詐欺で1億4000万円の被害 名古屋で発生した巧妙な手口

名古屋市の70代男性が、AIを活用した株式投資を名目にした詐欺に遭い、1億4000万円をだまし取られたことが、2025年3月31日に明らかになった。
詐欺グループは、最先端技術を謳い投資話を持ちかけ、巧妙な手口で高額の送金を要求していたとみられる。
警察は、同様の手口による被害が拡大する可能性があるとして注意を呼びかけている。
AIを利用した投資詐欺の手口とは
名古屋市在住の70代男性は、2024年12月ごろ、インターネットで機関投資家が運用するグループのサイトからLINEに誘導された。
その後、投資家を名乗る者などからAIを使った株式投資や投資アプリをすすめられ、2025年2月から3月までの間に現金1億3888万円を複数回にわたり、振り込んだ。
しかしその後、出金を申し出た際に相手と連絡が取れなくなり、詐欺であったことが発覚した。
警察は、「必ず儲かる」「投資に詳しい人を紹介」などの文言は詐欺を疑うよう注意を呼びかけている。
AI技術の発展に伴い拡大する詐欺のリスク、今後の対応策は
今後、AI技術の発展に伴い、投資詐欺の手口はさらに高度化すると考えられる。
生成AIによるカスタマーサポートの偽装や、ディープフェイク技術を用いた架空の投資家の演出など、新たな詐欺手法も登場するだろう。
これに対抗するため、金融機関や政府は、規制強化と被害者支援の両輪で対策を進める必要がある。
具体的には、AI投資を謳う事業者への厳格な認可制度を設け、投資家が正規のサービスを見極められる環境を整えることが求められる。また、高齢者を中心にデジタル金融に関する啓発を強化し、詐欺に対する認識を高める施策も不可欠だ。
一方で、技術の発展を妨げるのではなく、安全なAI投資の活用法を模索することも重要になる。信頼性の高い投資プラットフォームの認証制度や、透明性のあるアルゴリズムの開示といった対策が、今後のAI投資市場の健全な発展に寄与するはずだ。