全国の小中高で生成AIを1年間無償導入へ、経産省補助金事業に「スタディポケット」採択

2025年3月31日、スタディポケット株式会社は、経済産業省が実施する「探究・校務改革支援補助金2025」の採択事業者として選ばれたことを発表した。これにより、全国の小学校・中学校・高等学校に対し、同社が提供する生成AIサービスを1年間無償で導入する見通しだ。
新プラン「for TEACHER&STUDENT」で学校全体の活用も想定
対象となるサービスは、教員向けの「スタディポケット for TEACHER」と、生徒向けの「スタディポケット for STUDENT」の2種類である。
教員の授業準備や教材作成の負担を軽減しつつ、生徒一人ひとりの学習支援をサポートするとみられる。
さらに今年度は、教員向け・児童生徒向けの単体プランに加え、教員と生徒が共同で生成AIを活用できる新プラン「スタディポケット for TEACHER&STUDENT」が追加された。
これにより、学校全体での活用とより柔軟な導入が可能になる見込みだ。
補助金を活用したスタディポケット導入の申し込みは、専用フォームや電話、またはメールにて問い合わせを行い、当日〜2営業日以内に担当者から送付される「専用申込シート」に必要事項を記入する流れだ。
なお、同補助金に関する申し込みは、専用問い合わせフォームが最も迅速な対応となるようだ。
締切は2025年4月10日(木)17時までとなっており、採択結果は4月24日以降に通知される。実際の導入は同年5月1日から順次開始される予定である。
申請作業は、スタディポケット側が補助金事務局に代行して行うかたちであるため、学校側の負担は軽減されると考えられる。
<申し込み方法>
・専用問い合わせフォーム
・コールセンター
050-1720-5785(24時間/365日 自動音声ダイヤル)
※音声ガイダンス後に、「1」を押下
・メール
contact@studypocket.co.jp
教育現場に広がる生成AIの可能性と今後の展望
同社は経済産業省の「働き方改革支援補助金2024」にも採択されており、この補助金を活用し、全国の9つの自治体・40校で「スタディポケット for TEACHER」や「for STUDENT」が導入された。
導入した学校からは、「日々の授業準備が簡単になり、業務効率が向上した」「生徒と向き合う時間が増えた」「個別最適な学びにつながった」といった好意的な声が寄せられているようだ。
一方で、デメリットも無視できない。
AIの活用が進むことで、教員の指導力が低下する懸念がある。AIに依存しすぎれば、従来の教育手法が軽視される可能性があるため、適切なバランスが求められる。
また、導入期間が1年間と限定的であるため、補助金終了後の継続的な運用が課題となる。学校側の財政状況によっては、翌年以降の利用が難しくなるケースも想定されるだろう。
さらに、生成AIの利用に伴う倫理的な問題や、誤情報の拡散リスクも慎重に管理する必要がある。
今後、全国の教育機関で実証結果が蓄積されれば、成功事例をもとにAI教育の指針が整備される可能性が高い。
最終的には、AIが補助的な役割を果たしつつ、人間ならではの創造的な指導が強化される教育環境が理想的だろう。
スタディポケットを通じた取り組みは、その第一歩といえる。