学研HD、高校向けデジタル教材「志望理由書AI添削コース」を販売開始 「志望理由書」を生成AIで添削

学研ホールディングス(Gakken HD)は2025年3月28日、生成AIを活用した高校生向けのデジタル教材「志望理由書AI添削コース」を4月1日から販売開始すると発表した。
本教材は、生成AIを活用し、志望理由書を迅速に添削することで、生徒の文章力向上を支援するものだ。
AIが迅速に添削、文章力向上を支援
「志望理由書AI添削コース」は、高校生が作成した志望理由書をAIが約5分で添削する仕組みを採用している。
評価は「一貫性」「明確さ」「具体性」「表現」の4つの観点から行われ、それぞれ5段階のスコアで提示される。生徒は自分の文章の強みと課題を可視化し、改善へとつなげることができる。
さらに、AIは適切な書き換え例や改善ポイントを提案しながら、生徒が自分らしい表現を磨くことを促す。単なる誤字脱字の修正ではなく、自己表現を高めるためのフィードバックが提供される点が特徴だ。
この機能により、過度な添削による画一化を避けつつ、個々の生徒が自ら考え、推敲を重ねるプロセスを支援する。
加えて、教材には事前学習用のコンテンツも含まれる。志望理由書の基本構成や評価基準を学ぶことで、初めて作成する生徒でもスムーズに取り組めるよう設計されている。
教育現場の負担軽減と今後の展開
本教材の導入により、教育現場での志望理由書指導の効率化が期待されている。特に総合型選抜や学校推薦型選抜の増加に伴い、教員が一人ひとりの志望理由書を丁寧に指導する時間の確保が課題となっていた。
AIが添削をサポートすることで、教員はより深い指導に注力できるようになり、生徒の文章力向上につながる。
また、本教材は志望理由書作成を単なる試験対策としてではなく、自己分析やキャリア形成の一環として捉えることを促す狙いも持つ。
生徒が自身の考えを言語化し、説得力のある文章を作成できるようになることで、大学進学後や就職活動においても役立つスキルを習得できるメリットもある。
今後、学研HDはAIの精度向上や機能拡充を進める可能性がある。より高度な文章解析や個別指導機能が追加されれば、教育現場におけるAI活用の幅が広がることになるだろう。
志望理由書の指導が効率的かつ効果的になることで、生徒の表現力向上に寄与する取り組みとして注目される。