クレディセゾン、「LINE WORKS AiCall」導入で業務効率を大幅改善 オペレーター対応件数を30%削減

2025年3月27日、クレディセゾンがAI電話応対サービス「LINE WORKS AiCall」を導入し、オペレーターの対応件数を30%削減したことが明らかになった。さらに、IVR(自動音声応答)完了率が40%増加し、業務効率の向上と顧客満足度の改善に寄与している。
IVRの課題を解決する「LINE WORKS AiCall」
クレディセゾンは、毎月20万件以上の問い合わせを受けている。
従来のプッシュ型IVRでは、顧客が途中で電話を切るケースが多く、結果として有人対応に頼らざるを得ない状況が続いていた。
その結果、オペレーターの業務負担を増やし、応対品質の低下を招いていた。
これらの課題を解決するため、同社はLINE WORKSのAI電話応対サービス「LINE WORKS AiCall」を導入した。
本システムは、音声認識、音声合成、会話制御を組み合わせ、顧客の自由発話を理解することで、よりスムーズな対応を実現する。従来のIVRとは異なり、顧客の発話内容を解析し、最適なチャネルへ自動振り分けを行う仕組みだ。
これにより、ウェブ手続きが適している場合はSMSで誘導し、IVRで完結する場合はそのまま対応、有人対応が必要な場合はオペレーターへスムーズに引き継ぐことができる。
また、問い合わせ内容がダッシュボードで可視化されることで、オペレーターは事前に顧客の要件を把握し、迅速かつ的確な対応が可能となった。
AI技術の進化と今後の展望
今回の「LINE WORKS AiCall」の導入により、クレディセゾンは業務効率を大幅に向上させた。特に、オペレーターの対応件数を30%削減できたことは、人的リソースの最適化という点で大きな成果と言える。
また、IVRの自動応答完了率が向上したことで、顧客の待ち時間も短縮され、利便性が高まった点も評価できる。
クレディセゾンは、今後もAI技術の活用を拡大し、さらなる業務効率化と顧客体験の向上を目指していくと考えられる。たとえば、AIが顧客とのやり取りをリアルタイムで分析し、オペレーターに最適な応対方法を提示するシステムの発展が期待できる。
一方で、AI電話応対システムには課題もある。
現時点では、すべての問い合わせに完全対応できるわけではなく、複雑なケースや感情的な対応が求められる場面では、依然としてオペレーターの介入が必要となるだろう。
また、AIの音声認識精度が向上しているとはいえ、方言や特殊な言い回しを正確に認識できるかは改善の余地が残されている。
今回のクレディセゾンの事例を契機に、今後ますます多くの企業がAIを活用した電話応対システムの導入を進めると思われる。
AIの活用領域が広がると同時に、オペレーターはより付加価値の高い業務に集中できるのか、その展開に注目が集まっている。