ソニー、プロ野球公式戦のプレーデータを可視化–新たな観戦体験を提供へ

ソニーは2025年3月27日、日本野球機構（NPB）と協力し、プロ野球12球団の公式戦におけるプレーデータを可視化する新システムを発表した。
この新システムでは、Hawk-Eye Innovations（※）のトラッキング技術を活用し、選手のパフォーマンスデータをリアルタイムで収集・分析する。データを視覚化することで、ファンは試合の戦略や選手の技術をより深く理解できるようになる見込みだ。

プレーデータの可視化がもたらす新たな価値

ソニーとNPBの協力により、プロ野球の観戦体験が進化する。
Hawk-Eye Innovationsのトラッキングシステムを用い、投球や打球の軌道、速度、回転数などをリアルタイムで収集・解析する。ファン（観戦者）は試合中に選手のパフォーマンスが可視化され、データを通じてプレーの奥深さを実感できる。

このシステムの中核を担うのが「コンテンツ・マネジメント・システム（CMS）」と「データ・マネジメント・プラットフォーム（DMP）」である。CMSは、収集したデータをグラフィックコンテンツに変換し、球場ビジョンやオンラインプラットフォームでの発信を可能にする。

DMPは、全12球団のデータを一元管理し、選手やチームの戦略構築に貢献する。選手の競技力向上にも寄与する仕組みだ。

観戦体験の進化とビジネスモデルの展望

データが可視化されることにより、ファンの観戦スタイルも変わると予測できる。
たとえば、投球の回転数や打球の速度をリアルタイムで確認できることで、選手の技術や戦略の妙を直感的に理解しやすくなる。
これまで感覚的に捉えられていたプレーの詳細が数値化され、観戦のインタラクティブ性が向上するだろう。

また、CMSとDMPによるデータ管理は、NPBエンタープライズにとって新たなビジネスチャンスを生み出すと思われる
公式サイトやSNSでのデータ活用コンテンツを展開することで、コアファンのエンゲージメントを高めるだけでなく、新規ファン層の獲得にもつながり得る。

今後、収集されたデータを活用した新たなコンテンツの展開などが行われれば、プロ野球の魅力がさらに引き出されるだろう。

※Hawk-Eye Innovationsは、スポーツ分析技術を提供する企業で、テニスやサッカーなどの競技でも活用されている。