Asobica、顧客データプラットフォーム「coorum」シリーズのAIエージェント「ホンネAI」を発表

Asobicaは3月25日、顧客データプラットフォーム「coorum(コーラム)」シリーズに新たなAIエージェント「ホンネAI」を追加したと発表した。
顧客の本音を可視化し、行動変容を促すマーケティング支援が狙いである。
顧客の「本音」を可視化する3つのAI分析で、企業のマーケティング精度を向上
Asobicaが発表した「ホンネAI」は、coorumシリーズにおけるAI技術の進化形だ。
企業が保有する購買データやアプリ内データに加え、Asobica独自のオンラインコミュニティツール「coorum community」やリサーチツール「coorum research」から収集されるゼロパーティーデータ(※)を統合・分析することで、顧客一人ひとりの行動や心理の変化を把握する仕組みだ。
「ホンネAI」には、3つのAIエージェント機能が搭載されている。
「態度変容AI分析」は、顧客単位での行動パターンや特徴を解析し、どのようなマーケティングアクションが有効かを自動で導き出すものだ。
「クラスターAI分析」は、複数の顧客の購買傾向や行動パターンをもとに施策を設計する。
「商品・サービス価値のAI分析」は、SNS、レビュー、アンケートなどから集めた定性データをもとに、利用者の動機や不満、期待の可視化を図る。
これらの機能は、従来の定量的なデータ分析では捉えきれなかった「顧客心理の変化」を捉えるうえで有効と見られる。
※ゼロパーティーデータ:ユーザーが自発的に提供する情報。
デジタル変革が進む市場において、データ活用の高度化が不可欠に
Asobicaの「ホンネAI」は、AIが行動分析を担うことで、これまでデータアナリストに依存していた業務の一部を自動化できる。
また、迅速に顧客の声を抽出し、短いサイクルでマーケティング施策を立案・改善するPDCAの回転を加速させる点でも有効性が期待される。
一方で、懸念されるのは、AIの分析結果に対する「解釈のブラックボックス化」だ。
AIが導出する示唆の根拠や文脈が十分に説明されない場合、意思決定者がその結果に対して過信あるいは誤解を招く可能性がある。
データドリブンな意思決定を進めるうえで、重要なのは「何を見て、どう解釈し、どう動くか」の一連の流れを短縮することにある。
「ホンネAI」はこの課題に対し、AIによる定性データの構造化を可能にし、現場主導の柔軟な対応を促す。
今後、Asobicaが同製品を通じて、どのように企業のマーケティング活動に変革をもたらすのか、その動向に注目したい。
ニュースリリース:https://asobica.co.jp/news/honnneAI