SBI、大阪に大規模フィンテックセンターを設立 Web3事業も視野に

SBIホールディングスは2025年3月26日、大阪市北区に「SBI FinTech Center OSAKA」を4月1日に設立すると発表した。
このセンターは大阪府・市が推進する国際金融都市構想の一環として設立されるもので、Web3関連技術の発信やビジネスマッチングを通じて関西経済の活性化を図る。
大阪の国際金融都市構想を後押し
SBIホールディングスが新設する「SBI FinTech Center OSAKA」は、大阪市北区大深町のグラングリーン大阪北館JAM BASE 7階に開設される。
ブロックチェーン技術を基盤としたWeb3関連サービスの発信に力を入れる計画で、NFTや暗号資産などの次世代インターネット技術を活用した事業展開も視野に入れている。
SBIは、在阪金融機関や経済団体と協力し、フィンテック(※)やWeb3(※)分野でのビジネスマッチングやイベントを積極的に実施する方針を打ち出した。
これにより、大阪・関西地域の企業がSBIグループの持つリソースを活用できる環境が整うことが期待される。
センターが拠点とするJAM BASEは、企業、大学、スタートアップが集結してイノベーションを生み出す場として設計されている。行政、民間企業、経済団体が一体となってこれらの活動を支援する体制が構築されつつあるのである。
SBIグループはこれまでもリップルやデジタル資産関連企業への投資を通じて、Web3やフィンテック分野での先駆的な取り組みを行ってきた経緯がある。
今回の施設設立はその延長線上に位置付けられる動きと言えるだろう。
※フィンテック:金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉で、金融サービスと情報技術を組み合わせた動きを指す。
※Web3:ブロックチェーン技術を基盤とした、分散型で非中央集権的なインターネットの新たな形態。
大型イベント詳細と今後の展望
「SBI FinTech Center OSAKA」では、設立後すぐに大規模イベントの開催も計画されており、2025年7月にはブロックチェーンビジネスコンテストを実施予定だ。
このコンテストではブロックチェーン技術を活用した新たなビジネスモデルを競う場が提供される見通しとなっている。
国内外のプレイヤーが大阪に集結することは、フィンテック分野の活性化に寄与するだろう。特にスタートアップや投資家の関心を引きつけることができれば、実証実験や新規事業の創出につながる可能性がある。
さらに、2025年8月には「WebX Fintech EXPO」の開催も予定されている。このイベントには国内外の金融業界の専門家、大手金融機関、スタートアップ、投資家、規制当局が集結し、次世代金融市場の技術革新や規制動向について活発な議論が交わされることになるだろう。
今後は、SBIグループのネットワークと、大阪の国際金融都市構想がどこまで連携を強化できるかが鍵となると思われる。
行政や経済団体との協力体制が整い、具体的なビジネス支援策が充実すれば、国内外のWeb3企業が大阪に拠点を構える流れが生まれるかもしれない。
反面、規制の変化や業界全体の成長鈍化が起これば、期待されるほどの成果を上げられない可能性もある。センターが実質的な価値を提供できるかが問われる局面になるだろう。