三菱UFJ銀行とeスマート証券、国内初の自動入出金サービス「マネーコネクト」を開始

国内金融大手の三菱UFJ eスマート証券は2025年3月24日から、メガバンクと証券口座間での国内初となる自動入出金サービス「三菱UFJマネーコネクト」の提供を開始した。
このサービスにより、三菱UFJ銀行の普通預金口座と証券口座間で、ログイン不要・手数料無料での資金自動移動が実現される。
資金自動移動で投資の利便性向上
三菱UFJマネーコネクトの最大の特徴は、銀行口座と証券口座の連携による資金の自動移動機能にある。
従来、投資家は証券取引のたびに銀行口座から証券口座へ資金を手動で移動させる必要があったが、このサービスではその手間が大幅に軽減される。特に、積立投資において、毎月の資金移動を自動化できる点は大きな利点だ。
サービス開始時点では、投資信託やプチ株(※)の積立取引に対応しており、「お預り金+三菱UFJ銀行設定利用可能額」として毎月の積立額を設定することが可能になっている。
これにより、銀行口座の残高を証券取引の買付余力として直接利用できるようになった。
また、証券口座内の資金を毎営業日に自動で銀行口座に出金する機能も備えており、株式などの売却代金が自動的に銀行口座に戻る仕組みとなっている。
これにより、資金管理の手間を大幅に削減できる。
※プチ株:少額から株式投資ができる少額投資制度で、一般的な株式投資より少ない資金から始められるサービス。
金融サービスデジタル化の展望
三菱UFJグループが「マネーコネクト」を開始したことで、デジタル化が進む金融市場において、銀行と証券の垣根を低くする流れを加速させるだろう。
ネット証券の普及により投資家層が拡大する中、資金移動の利便性向上は顧客獲得の重要な差別化要素になっている。
利用開始には、三菱UFJ eスマート証券の口座に三菱UFJ銀行口座を登録し、「マネーコネクト設定」画面で自動入出金機能を有効化する必要がある。
設定は比較的簡単で、一度設定すれば以後の取引において自動化のメリットを享受できるようになっている。
今後は株式やIPOへの対応も予定されており、サービスの拡充が見込まれる。
特に若年層や投資初心者にとって、資金管理の手間が省ける点は投資を始める重要なきっかけになるのではないだろうか。
三菱UFJグループは、このサービスを通じて銀行顧客の証券取引への誘導と、証券顧客の銀行サービス利用拡大という相乗効果を狙っているとみられる。国内金融機関の中でも先駆的な取り組みであり、他の金融グループも類似サービスの開発を加速させる可能性が高い。
顧客目線では、金融サービスのシームレス化が進むことで、より便利な資産運用を行えるようになるだろう。