新指数「Mag 7B」の登場とビットコインの位置づけ

2025年3月24日、英国の大手銀行スタンダードチャータードのデジタル資産調査部門が、新たな指数「Mag 7B」を提案した。
この指数は、従来のテクノロジー株指数「マグニフィセント・セブン」に代わるもので、テスラの代わりにビットコインを組み込んでいる。この動きは、ビットコインのテクノロジー資産としての位置づけを強調し、投資家に新たな選択肢を提供するものと言える。
新指数「Mag 7B」の詳細とテスラとの比較
「Mag 7B」は、スタンダードチャータードのデジタル資産調査部門が提案した新しいテクノロジー株指数である。この指数は、従来の「マグニフィセント・セブン」からテスラを除外し、代わりにビットコインを組み込むことで構成されている。
「マグニフィセント・セブン」は、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、テスラの7銘柄で構成され、米国の主要テクノロジー企業のパフォーマンスを測る指標として知られている。
しかし、近年テスラの株価は他の6社と比較して軟調な推移を示しており、投資家の間でテスラを同指数に含めることへの疑問が高まっていた。
スタンダードチャータードの分析によれば、「Mag 7B」は過去7年間において、従来の「マグニフィセント・セブン」指数を上回る成績を収めている。
具体的には、年平均リターンが約1%高く、ボラティリティ(※)が約2%低いという結果が示されている。このデータは、ビットコインを組み込むことで、ポートフォリオのリスク調整後リターンが向上する可能性を示唆している。
※ボラティリティ:資産価格の変動の激しさを示す指標。高いボラティリティは価格変動が大きく、リスクが高い。低いボラティリティは価格が安定し、リスクが低いとされる。投資家はボラティリティを考慮して投資判断を行う。
ビットコインのテクノロジー資産としての評価と市場の見通し
ビットコインは、分散型台帳技術を基盤としたデジタル資産であり、その革新性からテクノロジー株としての性質を持つと考えられている。
特に、2024年初頭にビットコイン現物ETFが登場したことで、ビットコインの取引が従来のテクノロジー株と同様に行いやすくなった。これにより、ビットコインは投資家にとってよりアクセスしやすい資産となり、その市場流動性も向上している。
市場アナリストの間では、ビットコインの価格予測についてさまざまな見解が存在するが、多くはその成長性に注目している。一方で、ビットコインの価格は依然として高いボラティリティを持つため、投資家は慎重な姿勢が求められる。
スタンダードチャータードの新指数「Mag 7B」の提案は、ビットコインをテクノロジー資産として再評価し、投資家に新たな視点を提供するものであると言える。