Zenken、AI活用でLINEから24時間留学相談 地方や社会人も利用しやすい無料サービス

2025年3月24日、Zenken株式会社がLINEを活用した新たなAI留学相談サービスを日本国内で開始した。無料で24時間365日、留学先の提案や手続き支援を受けられる仕組みで、特に地方在住者や多忙な社会人のニーズに応える内容となっている。
LINEとAIの活用で「いつでもどこでも留学相談」が実現
Zenken株式会社は、業務委託を結ぶ海外留学推進協会(一般社団法人)と共に、株式会社AIdeaLabと連携し、LINEを通じた新たなAI留学相談サービスの提供を開始した。
サービスは、2025年3月にリリースし、同月18日にはLINEアカウントとして承認された。
本サービスでは、LINE公式アカウントを友だち追加したうえで任意の質問を送信すると、AIがリアルタイムで応答する仕組みとなっている。24時間365日の無料AI相談が可能で、語学学校から大学院まで幅広く、適切な留学先の選択肢が提示される。
また、AIを活用することで、留学先の相談だけでなく、留学に向けた手続きなどの一般的な質問や、特定の国の生活費や学費など、利用者固有の質問や要望にも迅速に応答できるという。
加えて、定期的に留学説明会、奨学金や英語学習に関する情報も配信されており、ユーザーは常に最新情報を受け取ることができる。
LINEやAIを活用した相談サービスは、従来のように窓口に出向く相談と比べて、手軽に利用できるのが魅力だろう。
また、時間や場所に縛られずに質の高いサポートを受けられることは、地方在住の学生や、働きながら留学を検討する社会人にとって、大きなメリットといえるだろう。
AI相談の課題と可能性 留学支援の第一歩となるか
本サービスは、日本政府が掲げる「教育未来創造会議」の「J-MIRAI(※)」イニシアティブの一環として設計された。
政府は2033年までに日本人留学生50万人の派遣と、外国人留学生40万人の受け入れを目標に掲げており、Zenkenの取り組みはその具体的施策の一つとされている。
一方で、AIによる相談には課題も残ると考えられる。
AIでは、定型的な質問への対応には強みを持つ。しかし、進路選びに迷う学生や、不安を抱える利用者のように、複雑な背景や感情を含む相談に対しては、現時点では十分な対応が難しい場合もあるだろう。
そのため、人間のカウンセラーと比較して、信頼や共感の面で物足りなさを感じる利用者もいるかもしれない。
それでも、気軽にアクセスでき、早期の情報収集が可能なAI相談は、「留学を考え始めたばかり」の段階において、有効な入口としての役割を果たす可能性が高いとみられる。
今後、Zenkenはサービスの多言語対応を進め、日本国内からの留学希望者だけでなく、海外から日本を目指す外国人留学生への対応強化にも注力する方針だ。
オンライン説明会やセミナーとの連携を視野に入れ、AIを活用した「次世代型留学支援プラットフォーム」としての進化が期待される。
※J-MIRAI:日本政府が掲げるグローバル人材育成の中長期計画。「Japan-Mobility for Internationalization and Resilience Advancement Initiative」の略で、教育の国際化を強化するための政策方針。