ぷらっとホームとSecuritize、RWA事業で提携 日本酒流通の実証事業から開始

2025年3月21日、ぷらっとホームとSecuritize Japan(セキュリタイズ・ジャパン)は、RWA(Real World Assets:現実資産 ※)のトークン化事業における提携を発表した。
両社は、IoT技術と金融トークン化技術を組み合わせることで、現実世界の資産をブロックチェーン上で管理する市場を創出することを目指す。
まずは、日本酒流通の実証事業から開始し、品質維持と流通効率化に取り組む。
IoTと金融トークン化の融合による新市場の創出
ぷらっとホームは1993年設立のIoT・マイクロサーバー企業で、近年はWeb3技術を活用したソリューション開発を進めている。
一方、Securitizeは米国発の金融トークン化プラットフォーム企業であり、日本法人のSecuritize Japanは、国内のデジタル証券市場において実績を持つ。
今回の提携の狙いは、IoTデバイスを活用したデータ収集と金融トークン化技術を組み合わせ、現実資産の価値をブロックチェーン上で流動化することにある。
第一弾として、日本酒の流通における品質維持と物流の最適化を目的とした実証事業を進めている。狙いは日本酒メーカーや卸業者の負担軽減、流通コストの削減だ。
実証事業では、ぷらっとホームの「ThingsToken™」技術を活用する。
同技術は、IoTデバイスが取得したデータをブロックチェーン上でトークン化し、流通プロセスにおける透明性を向上させる。
一方、Securitizeのプラットフォームは、発行されたトークンの管理や権利の移転を担い、エコシステム全体の信頼性を確保する。
RWA市場の成長と法的環境の整備
RWAのトークン化市場は急速に拡大している。マッキンゼーの調査によれば、2030年までにその市場規模は320兆円に達すると予測されている。国内外で不動産、債券、ESGデータなどの資産がトークン化される事例が増えており、RWAは金融市場の新たな潮流となっている。
日本国内でも、RWAの実用化に向けた法的整備が進んでいる。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、RWAトークンの利活用に関するガイドラインを公表し、適切な規制枠組みを構築する動きを強めている。これにより、企業が安心してRWA事業を推進できる環境が整いつつある。
今回のぷらっとホームとSecuritizeの提携は、日本市場におけるRWAの普及を加速させる可能性を秘めている。
今後、日本酒流通にとどまらず、都市データや産業データの資産化など、さまざまな分野での応用が期待される。
※RWA(Real World Assets):現実世界の資産をデジタル化し、ブロックチェーン上で管理・取引可能にする技術。主に不動産、証券、商品、知的財産などが対象となる。