MegaETH、毎秒20,000トランザクション処理のパブリックテストネットを開始

2025年3月22日、ブロックチェーン技術の新たな一歩として、MegaETHがパブリックテストネットを開始した。
初日には毎秒20,000トランザクション（TPS）を達成し、その高い処理能力が注目を集めている。

MegaETHの技術的背景とテストネットの性能

MegaETHは、イーサリアム（ETH）のスケーラビリティ問題を解決するために開発された新たなブロックチェーンソリューションである。

従来のレイヤー2ソリューションとは異なり、単一の高スループットアーキテクチャを採用している。
具体的には、楽観的ロールアップ（OP）（※1）やZKロールアップ（※2）と同様に、トランザクション実行をイーサリアムのベースレイヤーから移行し、セキュリティはイーサリアムに依存する。

さらに、EigenDA（※3）などの代替データ可用性ソリューションや特殊なシーケンサーを使用して、並列トランザクション処理を実現している。初期テストネットでは、15ミリ秒のブロック時間、20,000TPS、そして1.68Ggas/秒のパフォーマンスを目指している。

これらの数値は、リアルタイムゲームや高頻度取引のようなアプリケーションに適した性能を示している。

テストネットへの参加方法と今後の展望

一般ユーザーは、2025年3月10日以降にMegaETHのテストネットに参加可能となっている。参加希望者は、MegaETHの公式Discordサーバーでウォレット登録を行い、テストネット用のETHが直接配布される。

実際に、MegaETHは190,000以上のウォレットに対してテストネットETHをエアドロップし、その操作時間はわずか15秒であった。
この迅速な処理能力は、MegaETHが目指す「世界初のリアルタイム・ブロックチェーン」というビジョンを支えるものである。
将来的には、100,000TPSおよびミリ秒未満のレイテンシを目指しており、ブロックチェーン技術の新たな可能性を示唆している。

これが実現すれば、従来の金融システムや他のブロックチェーンプラットフォームを凌駕する性能を持つことになり、さまざまな産業分野での活用が期待される。
特に、リアルタイム性が求められるアプリケーションやサービスにおいて、MegaETHの技術は革新的なソリューションとなる可能性が高い。

しかし、その一方で、技術的な複雑性やセキュリティ上の課題を克服する必要がある。
また、ユーザーや開発者コミュニティの拡大、規制当局との連携など、エコシステム全体の発展が求められる。これらの課題を解決しつつ、MegaETHが
目指すビジョンを実現できるかどうかが、今後の注目点だ。

※1楽観的ロールアップ（OP）
トランザクションをまとめて処理し、ネットワークのスケーラビリティを向上させる技術。

※2
ZKロールアップ
ゼロ知識証明を用いてトランザクションを圧縮し、セキュリティとスケーラビリティを両立させる技術。

※3
EigenDA
データの可用性を確保するためのソリューションで、ブロックチェーンのスケーラビリティ向上に寄与する。