AIチャットボット利用と孤独感の関係 OpenAIとMITメディアラボの最新研究結果

米国のOpenAIとMITメディアラボは2025年3月21日(現地時間)、AIチャットボット、特にChatGPTの利用が人々の社会的および感情的な幸福に与える影響に関する研究結果を発表した。これによれば、チャットボットの利用時間が長いほど、孤独感の増加と関連していることが示唆されている。
チャットボット利用時間と孤独感の関連性
この研究では、OpenAIとMITメディアラボが共同で、AIチャットボットの利用がユーザーの感情的および社会的な幸福に与える影響を調査した。具体的には、OpenAIは約4000万件のChatGPTとのやり取りを自動分析し、感情的な手がかりを検出した。
また、4000人以上のユーザーを対象にアンケートを実施し、感情的利用のパターンを理解した。さらに、約6000人のヘビーユーザーを3カ月間追跡し、利用状況の変化を調査した。
MITメディアラボは、約1000人の参加者を対象に4週間の実験を行い、AIとの対話が孤独感や社会的交流に与える影響を調査した。
その結果、チャットボットの利用時間が長いユーザーほど、孤独感や依存心が増加し、実際の人との交流が減少する傾向が見られた。
特に、ニュートラルな音声モードでの高頻度利用は、社会的交流の減少や問題のある利用の増加と関連していた。
研究はまた、AIに対する信頼や感情的な愛着が強いユーザーは、孤独感や感情的依存をより強く経験する傾向があることを示した。さらに、女性参加者は、男性参加者と比較して他者との交流がわずかに低いことが判明した。
AIチャットボット利用によるメリット・デメリット
AIチャットボット、とりわけChatGPTの普及は、人々の孤独感に新たな側面をもたらしている。
メリットとしてまず挙げられるのは、「誰かと話す」ハードルが下がることだ。特に社会的接触に不安を抱える人にとって、AIとの対話は心理的な安心感を提供しうる。感情の吐露や日々の雑談を通じて、一時的な癒しや気晴らしになるケースも少なくない。
また、24時間対応という特性は、深夜や孤独を感じやすい時間帯においても「誰かがいる」感覚をユーザーに与える。これにより、一部のユーザーの情緒安定やストレス緩和に寄与していると考えられる。
一方で、デメリットはその裏返しに現れている。
今回の研究結果が示すように、利用時間が長くなるほど現実世界との接点が薄れ、孤独感や依存傾向がむしろ増すリスクがある。特にAIとの対話を代替的な人間関係として位置づける場合、実社会での対話スキルや関係構築力が低下する懸念がある。
さらに、「AIに愛着を持つ」という感情的な傾倒が強まれば強まるほど、それが人間との関係の希薄化に拍車をかける可能性も否定できない。
研究では女性参加者の方が他者との交流がわずかに低い傾向が示されており、性別や個人差によって影響の出方が異なる点にも留意が必要だ。