ソフトバンクグループ、米アンペア・コンピューティングを約1兆円で買収し、AI分野を強化

2025年3月20日、ソフトバンクグループ(SBG)は、米国の半導体設計企業アンペア・コンピューティングを約65億ドル(約9730億円)で買収すると発表した。
この買収により、SBGはAI(人工知能)分野への投資をさらに強化し、関連技術の発展を目指す。
アンペア・コンピューティングの買収背景と戦略的意義
アンペア・コンピューティングは2017年にシリコンバレーで設立され、高性能かつエネルギー効率に優れた半導体設計を手掛けている。
同社の製品は、クラウドネイティブ・コンピューティング(※1)から持続可能なAIコンピューティング分野へと事業を拡大し、エッジ(※2)からクラウドデータセンターに至るまで、多様なクラウドワークロード向けに複数の製品を展開している。
SBGは、AIインフラ分野での投資を拡大しており、今回の買収により、中核分野の強化および成長戦略を加速させることができる。
孫正義会長兼社長は、「ASI(人工超知能)の未来には、前例のないコンピューティングパワーが必要であり、アンペアの半導体および高性能コンピューティングに関する専門知識は、このビジョンの実現を加速させる」と述べている。
買収の詳細と今後の展望
SBGは、アンペアを65億ドルで買収する。
その取引の一環として、アンペアの主要な投資家であるカーライルとオラクルは、それぞれのアンペア持分を売却する。
買収は、規制当局の承認を含む通常の完了条件に従い、2025年後半に完了する見込みだ。
アンペアはSBGの完全子会社として運営を継続し、その名称を維持する。また、本社は引き続きカリフォルニア州サンタクララに置かれる。
今回の買収により、SBGはAI分野での競争力をさらに高めることが期待される。
アンペアの技術と専門知識を活用し、AIインフラ(※3)の強化や新たな技術開発が進められる可能性がある。これにより、AI技術の進化が加速し、関連するビジネスやサービスの発展にも寄与することが見込まれる。
SBGは、アンペアの技術を活用し、AI分野でのプレゼンスを強化する戦略を進めると考えられる。
特に、AI向け半導体の需要が高まる中で、エネルギー効率の高いプロセッサの提供は、環境負荷の軽減にも寄与するだろう。
しかし、競合他社も同様の技術開発を進めており、SBGが市場での優位性を確立するためには、継続的な技術革新と戦略的なパートナーシップが必要となる。
また、AI分野は規制や倫理的な課題も抱えており、これらに適切に対応することが求められる。
総じて、アンペアの買収はSBGのAI戦略における重要な一手であるが、その成功は今後の市場動向や技術開発の進捗に大きく依存すると言える。
※用語解説
※1
クラウドネイティブ・コンピューティング:
クラウド環境を前提として設計・開発されたアプリケーションやサービスのこと。スケーラビリティや柔軟性が高く、効率的な運用が可能となる。
※2
エッジ(コンピューティング):
データの処理をデータ生成元(エッジ)に近い場所で行う分散型コンピューティングモデル。これにより、遅延の低減や帯域幅の節約が可能となる。
※3
AIインフラ:
AI(人工知能)の開発・運用に必要なハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの基盤となる技術や設備の総称。高性能なコンピューティングリソースや大容量のデータストレージなどが含まれる。