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    125年の難問「ヒルベルトの第6問題」に新たな光 米研究者が解決か

    2025年3月3日、米国のシカゴ大学とミシガン大学の研究者らが、125年間未解決だった「ヒルベルトの第6問題」に対する解答を示す査読前論文を発表した。

    これは、物理学の理論を厳密な数学の形で表現するという難題に挑んだものであり、時間の不可逆性、いわゆる「時間の矢」の理解にも新たな視点を提供する可能性がある。

    目次

    ヒルベルトの第6問題とは何か

    1900年、ドイツの数学者ダフィット・ヒルベルトは、20世紀の数学の指針として23の未解決問題を提示した。その中の第6問題は、物理学の理論を厳密な数学の形式で再構築する、すなわち物理学の公理化を求めるものであった。

    具体的には、微視的な粒子の運動を記述する法則から、日常的に観察される流体の運動を記述する法則を数学的に導き出すことが課題とされた。

    これは、ミクロな世界の法則とマクロな現象との間の橋渡しを試みるものであり、物理学と数学の深い関係性を示す重要なテーマである。

    今回の研究では、問題解決に向けて二段階のアプローチが採用された。

    第一段階では、多数の小さな硬い球体が衝突する系から、粒子の分布を記述するボルツマン方程式を導出した。

    ここで重要なのは、「ボルツマン-グラッド極限」と呼ばれる概念であり、粒子数が増加しサイズが縮小する際に、衝突頻度が適切に保たれることを示している。

    第二段階では、ボルツマン方程式(※)から流体力学の基本方程式であるオイラー方程式やナビエ・ストークス方程式を導出した。これにより、微視的な粒子の運動から巨視的な流体の振る舞いまでの道筋が数学的に明らかにされた。

    特筆すべきは、これまで短時間でしか証明されていなかった導出を、研究チームが新たな数学的手法を開発することで、任意の長時間にわたって証明可能にした点である。

    この成果は、ミクロなスケールでは時間が逆行可能であるのに対し、マクロなスケールでは時間が一方向にしか進まないという「時間の矢」の問題を数学的に説明する上で重要な一歩となる。

    今後の展望

    今回の研究は、物理学と数学の深い結びつきを再認識させるものであり、今後の関連分野の研究に大きな影響を与えることが期待される。

    本研究が正式に認められれば、物理学と数学のさらなる融合が進むことが予測される。

    特に、流体力学や統計力学の分野で新たな理論構築が促進される可能性がある。

    また、時間の不可逆性に関する理解が深まることで、熱力学第二法則の解釈やエントロピー増大則の再評価など、基礎物理学の概念に影響を与える可能性がある。

    さらに、微視的なスケールから巨視的な現象を導出する手法は、他の未解決問題や複雑系の研究にも応用されることが期待される。

    ただし、これらの展望は今後の研究成果や実験的検証に依存するため、慎重な検討が必要だ。

    ※ボルツマン方程式

    19世紀の物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンが提唱した、気体中の粒子の速度分布を記述する統計力学の基本方程式。微視的な粒子の運動から巨視的な物理現象を導く際に重要となる。

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