Crunchyrollとアニプレックス、新会社「HAYATE」設立 アニメのグローバル展開を加速

2025年3月17日、ソニーグループ傘下のアニプレックスと米国のCrunchyrollが、新たなアニメプロデュース会社「HAYATE」を設立すると発表した。
HAYATEは、Crunchyrollのストリーミングサービス向けにアニメ作品の企画・プロデュースを手掛けることを目的とし、両社の強みを融合させる形で運営される。
アニメ市場の拡大が続く中、この新会社の動向が注目されている。
アニメ市場の成長とHAYATEの狙い
近年、アニメ市場は急速に成長している。
ストリーミングサービス(※)の普及により、世界中で日本のアニメが視聴される機会が増えた。Crunchyrollは200以上の国と地域でアニメを配信し、アニプレックスは「鬼滅の刃」や「ソードアート・オンライン」などのヒット作品を生み出してきた。両社はすでに協力関係にあり、HAYATEの設立はその延長線上にある。
HAYATEの目的は、アニプレックスの制作ノウハウとCrunchyrollのマーケティング・配信力を組み合わせ、高品質なアニメ作品をグローバルに届けることだ。
具体的には、アニメの企画立案から制作、マーケティング、配信までを一貫して行う体制を整えている。これにより、クリエイターとスタジオとの連携を強化し、世界市場に適した作品を生み出すことを目指している。
※ストリーミングサービス:インターネットを通じて動画や音楽をリアルタイムで再生できるサービスのこと。NetflixやYouTube、Crunchyrollなどが代表的。
HAYATEの組織構成と今後の展望
HAYATEの本社は東京都千代田区に設立され、アニプレックスとCrunchyrollの共同出資によって運営される。経営陣には、アニプレックスの三宅将典氏が会長兼CEOに、渡邊怜央氏が社長兼COOに就任する。HAYATEの社員は、アニプレックスとCrunchyrollの両社から選ばれ、それぞれの強みを活かしたチーム編成となる。
市場関係者の間では、HAYATEの設立がアニメ業界に与える影響について期待の声が上がっている。特に、近年のアニメ市場では、海外ファンの増加とともに作品のグローバル展開が重要視されており、HAYATEはこの流れを加速させる存在となる可能性が高い。
今後の展望として、Crunchyrollのプラットフォームを活用したオリジナルアニメの制作や、既存の人気IPを活かした国際展開が考えられる。
HAYATEの設立は、アニメの制作から配信までのプロセスを統合し、より多くの視聴者に高品質な作品を届けるための新たな試みとなるだろう。
今後どのような作品が生まれるのか、世界中のアニメファンの関心が高まっている。