東京メトロ、スタートアップとの共創を加速するCVC『Tokyo Metro Ventures』を設立

東京メトロは、2025年3月17日、スタートアップ企業との協業や出資を行うコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)活動「Tokyo Metro Ventures」を開始した。
これは、2025年度から2027年度までの3年間で30億円の出資枠を設け、スタートアップ企業やベンチャーキャピタルファンドへの出資を通じて、沿線価値の向上や人の流れの創出、鉄道事業における課題解決を図ることを目的としている。
スタートアップとの共創を目指す「Tokyo Metro Ventures」
東京メトロは、2016年度からオープンイノベーション(※)プログラム「Tokyo Metro ACCELERATOR」を実施し、外部企業と新たな価値の共創を進めてきた。これまでに複数のスタートアップ企業に出資し、事業の共同開発や出資先企業のバリューアップに取り組んできた実績がある。
今回の「Tokyo Metro Ventures」は、これらの取り組みをさらに加速させるものだ。スタートアップ企業との協業を通じて革新的なサービスを生み出し、東京の未来を創ることをコンセプトとしている。
これまで、東京メトロは駅構内や車両内を新規サービスの検証の場として活用し、スタートアップとの実証実験を行ってきた。
たとえば、公共施設予約管理システム「Spacepad」の提供や、家庭料理のテイクアウトステーションの設置、ゲーム性を取り入れた教育事業などに出資し、連携を進めている。
※オープンイノベーション:企業が自社外の組織や個人と協力し、技術やアイデアを共有・活用することで、新たな製品やサービス、ビジネスモデルを創出すること。これにより、従来の閉鎖的な開発プロセスよりも迅速かつ効率的にイノベーションを推進できるとされる。
今後の展望
今後は、東京メトロ沿線の利便性を高める新サービスや、国内外からの訪問者向け商品の開発、さらには鉄道事業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)にも対応するスタートアップとの連携を検討している。
「Tokyo Metro Ventures」の設立は、鉄道業界におけるイノベーションを促進し、スタートアップ企業にとっても新たなビジネスチャンスを提供することが期待される。
東京メトロという大手企業との連携は、資金調達や市場へのアクセスを容易にし、成長の機会を提供する。また、オープンイノベーションの推進により、従来の閉鎖的な開発プロセスから脱却し、迅速かつ効率的なイノベーションが実現できる点も大きなメリットである。
東京メトロは、スタートアップとの共創を通じて、革新的なサービスを生み出し、東京の多様な魅力と価値の向上に取り組んでいく考えだ。
全体として、「Tokyo Metro Ventures」の活動は、東京メトロの未来を明るく照らす重要な要素となるだろう。