韓国銀行、ビットコインを外貨準備金として保有しない方針を表明

2025年3月16日、韓国銀行（中央銀行）はビットコインを外貨準備金（各国の中央銀行が、為替相場の安定や国際収支の調整のために保有する外国通貨や金などの資産）として保有しない意向を明らかにした。
これはビットコインの価格変動の大きさや国際通貨基金（IMF：国際的な金融協力を促進し、為替相場の安定や国際貿易の拡大を目的とする国際機関）の外貨準備管理基準を満たしていないことが主な理由である。

韓国銀行の公式声明とその背景

韓国銀行は国会企画財政委員会の議員からの書面質問に対し、「ビットコインを外貨準備金に含めることを検討していない」と回答し、その主な理由としてビットコインの価格変動性の高さを挙げた。

同銀行は仮想資産市場が不安定な場合、ビットコインを現金化する際の取引コストが急増するリスクがあると指摘している。さらに、ビットコインはIMFの外貨準備管理基準を満たしていないとも述べている。
IMFは外貨準備金として認められる資産に対しては流動性、市場性、信用リスクの慎重な管理が求められるが、ビットコインはこれらの基準に適合しないとされる。
これらの理由から韓国銀行はビットコインを外貨準備金に含めることに慎重な姿勢を示している。

国際的には、アメリカのトランプ政権がビットコインの戦略的準備金の設立を提唱するなど、ビットコインに対する関心が高まっている。
一方欧州中央銀行やスイス国立銀行、日本政府などは、ビットコインを外貨準備金として保有することに否定的な見解を示している。
韓国銀行も同様の立場を取っており、ビットコインの価格変動性やIMF基準への適合性を考慮し、外貨準備金への組み入れを慎重に検討する必要があるとしている。

今後の展望

今後韓国銀行がビットコインを外貨準備金として保有する可能性は低いと考えられるが、仮想資産市場の動向によっては再評価されることもあり得る。特にビットコインの価格が安定し、IMFの基準に適合するような状況が整えば、韓国銀行もその方針を見直す可能性があるだろう。

また国際的な金融環境が変化する中で、他国の中央銀行がビットコインを準備金として採用する動きが進む場合、韓国もその影響を受けることになる。

さらにデジタル通貨の発展やブロックチェーン技術の進化に伴い、中央銀行デジタル通貨（CBDC）の導入が進む可能性もある。これにより、ビットコインの位置づけが変わることも考えられる。
韓国銀行は、市場の動向を注視しつつ柔軟な政策を検討する必要があるだろう。