オルツ、ハイレゾと提携しAI向け次世代データセンター「alt GPU Cloud」を発表  

2025年3月14日、株式会社オルツはAI向け次世代データセンター事業「alt GPU Cloud」を開始すると発表した。

本事業は、株式会社ハイレゾとの戦略的提携を基盤とし、日本国内のAI特化型データセンターの供給不足を解消する狙いがある。オルツが培ってきたLLM（※）開発の技術ノウハウと、ハイレゾのインフラ構築力を組み合わせ、柔軟なGPUリソースの提供を目指す。  

日本のAI開発を支える「alt GPU Cloud」の狙い  

「alt GPU Cloud」は、企業や研究機関が高性能なGPU環境を利用できるデータセンター事業として展開される。また、金融、製造、自治体など多様な業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）を支援することも視野に入れている。AIを活用した業務の自動化やデータ解析、最適化を進める企業にとって、柔軟なGPUリソースは不可欠な要素だ。

その背景には、AI特化型データセンターの国内供給不足がある。生成AIの発展により、高度な計算処理が可能なGPUリソースの需要が急増する一方で、適切なインフラが整っていない状況が課題となっていた。  

オルツはLLM開発に関する高度な技術ノウハウを持ち、AI計算インフラの整備に強みを持つ。この技術基盤を活かし、「EMETH GPU POOL」との連携によるカスタマイズ可能なGPUリソースの提供を実現する見込みだ。
ハイレゾと協業することにより、データセンターの設計・運営において効率的な運用が可能となる。  

加えて、本事業では環境への配慮も重視されている。
データセンターの電力供給において、持続可能なエネルギーを活用する方針を掲げており、エネルギー効率の高い運用を進めることでサステナビリティの確保を目指す。  

GPUリソース提供による今後の展望  

「alt GPU Cloud」は、日本国内のAI開発基盤を強化し、産業のDX（デジタルトランスフォーメーション）を加速させる可能性が高い。金融業界においては、不正取引検知や資産運用の最適化が進み、より高度なリスクマネジメントが可能になるだろう。
製造業では、品質管理や生産効率の向上に寄与し、グローバルな競争力を強化する見込みだ。

自治体や公共機関での活用も期待される。データ解析による住民サービスの向上や行政業務の効率化が進めば、地域社会全体の利便性が向上すると考えられる。

ただし、競合他社の動向や国際的なインフラ供給状況によっては、競争環境が激化する可能性がある。安定したリソース供給とコスト効率の最適化を両立できるかが、今後の成長のカギを握るだろう。また、持続可能なエネルギー利用や環境負荷の低減が実現できれば、社会的な評価が高まり、長期的な成長基盤が築かれると考えられる。

※LLM（Large Language Model）：大規模なデータを学習し、人間のように自然な文章を生成できるAIモデルのこと。生成AIの根幹技術として活用されている。