米国のビットコイン戦略を法律化へ　バイロン・ドナルド議員が新法案を提出

米国のバイロン・ドナルド下院議員（共和党）は、トランプ大統領が発表した「ビットコイン準備金」政策を法律化する法案を2025年3月14日に提出した。
これにより、政権交代後もビットコイン準備金が維持される仕組みを構築する狙いがある。本法案が成立すれば、米国政府が保有するビットコインの管理が強化されるとともに、仮想通貨市場にも影響を及ぼす可能性がある。

ビットコイン準備金政策を法律化する背景

2025年3月7日、トランプ大統領が「ビットコイン準備金（※）」設立の大統領令に署名したと報じられた。この政策により、米国政府は約20万ビットコインを戦略的資産として保有することとなった。

しかし、大統領令は恒久的な法律ではなく、新政権の判断で簡単に撤回される恐れがある。

こうした不安定性を解消するため、ドナルド議員は今回の法案を提出した。
法案の主な目的は、ビットコイン準備金を法律として確立し、将来の政権による変更を困難にすることである。具体的には、政府が没収したビットコインを売却せずに保管し続けることを義務付ける。また、財務省の管理下で厳格な会計処理を行い、政策の透明性を高める狙いもある。

現在、米国における仮想通貨政策は超党派での支持を集めつつあるが、民主党は依然として慎重な姿勢を崩していない。ドナルド議員は、共和党がこの流れを主導し、仮想通貨に対する規制を緩和すべきだと主張している。

※ビットコイン準備金：政府が保有するビットコインを戦略的資産として管理する制度。これにより、米国政府はデジタル通貨の影響力を強化し、金融市場の安定を図る狙いがある。

法案の影響と今後の展望

本法案が可決されれば、米国政府のビットコイン政策は安定し、仮想通貨市場にも長期的な影響を及ぼす可能性がある。
特に、政府のビットコイン保有が制度化されることで、市場への信頼が高まり、価格の安定化が期待される。一方で、政府がビットコインを売却できないため、流動性が低下し、市場の変動要因となる可能性も指摘されている。

市場の反応は分かれており、法案提出直後は一部の投資家による売りが発生した。
しかし、長期的には米国の仮想通貨政策が安定することで、機関投資家の参入が進むと予測されている。

今後の焦点は、法案が議会を通過できるかどうかにある。
成立には上院での60票、下院での過半数の支持が必要だ。共和党は積極的に支持を表明しているものの、民主党の一部議員は慎重な姿勢を見せている。今後の議会での審議次第では、修正案が加えられる可能性もある。