フランクリン・テンプルトン、XRP ETFをSECに申請 市場競争に参戦か

2025年3月11日、米国の大手資産運用会社フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、仮想通貨XRP(エックス・アール・ピー)に連動する現物ETF「フランクリンXRP ETF(上場投資信託)」の申請を米国証券取引委員会(SEC)に提出した。この動きは、暗号資産市場に新たな投資機会を提供する可能性がある。
フランクリン・テンプルトンのXRP現物ETF申請の詳細
「フランクリンXRP ETF」は、仮想通貨であるXRPのスポット価格に連動し、コインベース・カストディを通じて資産を保有することを目指しているとされる。
取引はシーボーBZX取引所で行われ、承認された参加者は現金を使用してブロック単位で株式を発行・償還し、第三者を介してXRPに変換される仕組みだ。
ただし、ETFの所有者はXRP Ledger(※)のフォークやエアドロップの恩恵を受けないことが明記されているという。
今回の申請は予備的なものであり、SECが承認または却下するまでに最長240日間の審査期間を持つとされる。そのため、最終的な決定は2025年後半になる可能性があるだろう。
SECはこれまでにも複数の暗号資産ETFの申請を審査しており、ビットワイズ(Bitwise)、21シェアーズ(21Shares)といった企業がXRP ETF競争に参加している。
市場は、SECの暗号資産に対する姿勢の変化に期待を寄せており、フランクリン・テンプルトンの申請が承認されれば、XRP市場にとって大きなプラス要因となると考えられている。
XRPは、過去24時間で4.2%上昇している。これは、暗号資産市場全体の回復に伴い、同調して上昇したと考えられる。
※XRP Ledger:リップル社が開発した分散型台帳技術で、高速なトランザクション処理能力を持つ。フォークやエアドロップは、ブロックチェーンの分岐や新規トークンの無料配布を指し、投資家に追加の利益をもたらすことがあるとされる。
今後の展望
今回のフランクリン・テンプルトンによるXRP現物ETFの申請が承認されれば、XRPへの投資手段が拡充されることになるだろう。
ETFは証券取引所を通じて取引できるため、直接XRPを保有する必要がなく、機関投資家や規制の厳しい投資環境にある投資家にとって参入しやすくなると考えられる。これは市場の流動性向上にも寄与するだろう。
しかし、SECの対応次第では、承認が長引く可能性もある。仮に却下された場合、市場の失望売りがXRP価格に影響を及ぼすことも考えられる。そのため、今後の動向は慎重に見極める必要があるだろう。