ふくおかフィナンシャルグループ、OpenAIと連携し地方銀行初のAI活用へ

2025年3月5日、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、米国のOpenAI社と連携を開始したと発表した。地方銀行として初の試みであり、金融業務の効率化や新たな価値創造が期待されている。
FFGとOpenAIの連携がもたらす金融業務の革新
FFGは、福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、福岡中央銀行、みんなの銀行からなる地域金融グループであり、地域経済の活性化と発展に貢献している。
近年、人口減少や少子高齢化、スマートフォンの普及などにより、金融機関を取り巻く環境は大きく変化している。これらの課題に対応するため、FFGはデジタルトランスフォーメーション(DX※)を推進し、2022年4月には社長直轄のDX推進本部を設立した。
今回のOpenAIとの連携により、FFGは生成AIを活用した金融業務の効率化や高度化を目指している。
具体的な取り組みとして、融資業務で使用する稟議書の下書き作成などが挙げられる。
これにより、業務プロセスの効率化が図られ、顧客へのサービス提供の迅速化が期待される。
また、AI技術を活用した新たな金融商品やサービスの開発も視野に入れており、地域金融機関としての競争力強化につながると考えられる。
OpenAIとの連携が示す地方銀行の未来
OpenAIは、2015年に設立された人工知能の研究開発を行う米国企業であり、自然言語処理技術に強みを持つ。その技術力は、対話型AI「ChatGPT」などのサービスで広く知られている。
FFGがOpenAIと連携することで、最新のAI技術を取り入れた金融サービスの提供が可能となる。地方銀行がデジタル化を進める中での重要な一歩であり、他の金融機関にも影響を与える可能性がある。
FFGの五島久社長は、「これから先のさまざまなビジネスに、AIの技術は不可欠だ」と述べており、AI技術の重要性を強調している。今後、FFGはOpenAIとの連携を通じて、地域経済の発展に寄与する新たな価値創造を目指すと考えられる。
今回発表された取り組みは、地方銀行のDX推進のモデルケースとなり、金融業界全体のデジタル化を加速させる可能性がある。
※デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセスを革新し、競争力を高める取り組みのこと。