チエル、新クラウド型授業支援システム「CaLabo Cloud」を発表

チエル株式会社は2025年3月4日、新たなクラウド型授業支援システム「CaLabo Cloud」を発表した。エージェントレス化やMoodleとの連携で、より利便性が向上し、シームレスな学習環境の構築が期待される。
教育のデジタル化を支えるCaLabo Cloud
全国の高校や大学のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するクラウド型授業支援システム「CaLabo」シリーズは現在、全国1,300校以上の教育機関に導入されている。
近年、コロナ禍を経て教育現場ではハイブリッド授業が普及し、クラウド型システムの需要が高まっている。このような背景から、チエルはエージェントレスで利用できる新システムの開発に至ったと考えられる。
今回、リリースされた「CaLabo Cloud」は、従来の「CaLabo Online」をリニューアルしたもので、特にBYOD(※)環境に適応した設計となっている。
従来のシステムでは、学習者モニターやURL一斉送信、メッセージ送信、グループ会話、インカムなどの機能を活用するために、専用エージェントプログラムのインストールが必要だった。
しかし、「CaLabo Cloud」ではこれを不要とし、システム導入の手間を大幅に削減した。教員や学生は、端末に特別なソフトウェアをインストールすることなく、ブラウザ経由で簡単にアクセスできるため、授業の準備や実施がよりスムーズになるとされる。
※BYOD(Bring Your Own Device)
個人所有の端末を業務や学習に活用することを指す。教育現場では、教員や学生が自身のPCやタブレットを授業に利用するケースが増えている。
Moodleと連携を行うメリットと今後の展望
「CaLabo Cloud」は、学習プラットフォームを外部ツールと連携する機能を備え、学習管理システム「Moodle」からクラス情報や履修者情報を取得することができる。
これにより、教員はクラス設定にかかる負担を軽減できると考えられる。
また、Moodleのシングルサインオン(SSO)を活用することで、学生は複数のシステムに個別ログインする必要がなくなり、スムーズに授業へ参加できる。
さらに、「CaLabo Cloud」で作成したアンケートや小テストなどの課題は、Moodle上から直接実施可能だ。教員はMoodleを通じて課題を一括で管理・配信できるため、学習管理の効率化につなげられると考えられる。
また、こうした学習システムの開発が進めば、いずれAIとの連携も考えられるだろう。学習データをAIがより高度に解析し、個々の学生に最適な学習支援を提供するシステムが登場する可能性もある。
学生一人ひとりのペースやニーズに応じた、より個別化された学習環境の実現が期待できるかもしれない。