Reddit共同創業者、TikTokのブロックチェーン化を目指す買収案に参画

2025年3月5日、Redditの共同創業者アレクシス・オハニアン氏が、TikTokの米国事業の買収計画に参加し、ブロックチェーン技術を活用して新たなプラットフォーム構築を目指すことを明らかにした。
オハニアン氏の新たなビジョン「Frequency」統合計画
今回オハニアン氏らが進める買収計画は、従来の運営側がすべてを管理する中央集権型ソーシャルメディアのあり方を、根本から変えることを目的としていると考えられる。
米国政府が中国のバイトダンスに対しTikTokの米国事業売却を求める中、オハニアン氏は「ユーザーはデータを、クリエイターは自身のオーディエンスを所有すべき」と主張。
この考えを実現するため、フランク・マコート氏が主導するプロジェクト・リバティと連携し、TikTokを分散型ブロックチェーン「Frequency」に統合する計画を進めるとした。
オハニアン氏が参画する買収案は、「ザ・ピープルズ・ビッド」と呼ばれ、仮想通貨投資家のケビン・オリーリー氏も参画している。
プロジェクト・リバティが開発した「Frequency」は、透明性や説明責任を重視し、データの所有権を、運営側ではなく個人に委ねることを目的としたブロックチェーンプラットフォームとされる。従来のソーシャルメディアとは異なり、プライバシー、セキュリティ、そしてデジタル上での独立性を基本的な原則として掲げる。
これにより、クリエイターはオーディエンスとの関係を主体的に管理でき、より深い関係を築くための環境が提供されるという。同時にユーザー自身が自分のデータを管理し、コントロールできるようになるとされる。
TikTokにブロックチェーン導入は実現するのか
1月には米国内で規制強化の動きがあり、一時はTikTokの存続が危ぶまれる状況となったが、今回の買収案により新たなビジョンが提示された。
オハニアン氏は「デジタルコミュニティにおける新しい基準を設定する」と述べ、これまでのキャリアを通じて未来に賭ける意向を示している。
TikTokにブロックチェーンが導入されれば、従来の中央集権型システムにおけるデータの不透明性や不正利用といった問題は解消され、プライバシーやセキュリティの向上が期待されるだろう。
一方で、個人がデータを直接管理することにはリスクも伴う可能性がある。一般ユーザーにとって、データの保護や安全な共有には高度なデジタルリテラシーが必要だ。
特に、TikTokには10代のユーザーが多い傾向にあるため、データの悪用や情報漏洩のリスクが高まるという懸念がある。
プラットフォーム側は、ユーザーに適切なガイドラインやサポートを提供し、セキュリティ対策を強化する必要があるだろう。
また、ブロックチェーン技術はまだ普及段階にあり、これを実際に運営に組み込むためにはかなりの時間とリソースが必要になる可能性も高い。この計画の進捗状況や最終的な実現性については、今後の動向を注視する必要があるだろう。