USDCは大丈夫?価格暴落の理由と展望を考察

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この記事では最近話題の「USDC」について解説します。USDCとは何か、何が起こったのかを理解する記事になれば幸いです!

目次

USDCとは?

USDC(USD Coin)は、仮想通貨の一種であり、1USDCは1米ドルと同等の価値を持つステーブルコインです。

ステーブルコインとは、価格変動が少ないように設計された仮想通貨であり、価格変動リスクを軽減するために使用されます。ステーブルコインの中には法定通貨にペッグされている通貨、アルゴリズムによって価格の安定を計る通貨、仮想通貨にペッグされている通貨が存在します。

ちなみにアルゴリズム変動型のステーブルコインの代表例が昨年大暴落してしまった「Terra / LUNA」です。

その中で、法定通貨にペッグされているステーブルコインは価格の裏付けがしっかりしているので非常に高い人気を誇っています。USDCはその代表格の1つです。

USDCは、中央集権型の発行体であるCircleとCoinbaseが共同で開発し、2018年にリリースされました。Ethereumブロックチェーン上に発行されており、ERC-20トークンとして取引されます。

USDCはステーブルコインなので、ビットコインや他の仮想通貨と比べて価格変動が少なく、取引所や投資家にとって重要な特徴となっています。主にDeFiで利用されています。

あえてリスクを挙げるとするならば、米ドルが暴落した際に一緒になって価格も暴落してしまいますが、米ドルが暴落する時は世界経済が傾く時ですので、一ステーブルコインだけの話ではなくなります。

つまり、web3業界で必須となるステーブルコインの中でも信頼性を保ち、非常に人気のある通貨がUSDCです。

USDCが暴落!?

そんなUSDCが2023年3月11日に暴落しました。暴落と言っても、他の仮想通貨ほどの暴落ではなく、執筆時点の3月12日には少し持ち直して来ていますが、安定性が売りのステーブルコインにとって価格が10%ほど上下することはその信頼性に傷をつける出来事になります。

https://coinmarketcap.com/ja/currencies/usd-coin/ より

ちなみにこの間にドルの値段が変動しているわけではありません。USDCはドルとペッグされているので、当たり前ですがドルが暴落すればUSDC価格も暴落します。それはむしろUSDCの信頼性を担保する出来事になります。

つまり、ドルの価格にペッグされているはずのUSDC価格のみが暴落する事態が発生しました。

この理由は「シルバーゲート銀行とシリコンバレー銀行の破産」にあります。

シルバーゲート銀行とシリコンバレー銀行が破産した理由は金利の問題等色々ありますので、ここでは解説しません。その2社が破産した結果、なぜUSDCの価格に影響があるのかについてのみ解説します。(尚、筆者は金融の専門家ではないのでここでの解説が未来の価格を保証するものではありませんので、ご了承ください)

端的に言えば「発行しているUSDCと1対1で保有しているドルの一部(約25%)をシリコンバレー銀行に預けていたので、破産して帰ってくるかわからない」という状況になったからです。

法定通貨担保型のステーブルコインの信用というのは、きちんと担保となる資産があることに紐づいています。その資産がなくなってしまったら、一般的な仮想通貨と同様なので、信頼性が損なわれる事態になります。

事実、USDCと同様に非常に人気の高い法定通貨担保型のステーブルコイン「USDT」は、一時期「担保としているドルが本当はないのではないか?」という疑惑を持たれ、その信頼性に疑問を持たれる事態になりました。

USDCも図らずも、銀行の破産という形で同様の疑問を持たれる状況になってしまったということです。これからシリコンバレー銀行の破産手続きがスタートし、実際にどれくらいの資金が預金者に返還されていくのかが決まっていくので、それによってUSDCにどこまで影響が出るのかが決まります。

続報を待ちたいと思います。

今後はどうなる?

上で書いた通り、破産手続きによって影響度が変わってきます。そして、もし一部が返還されない場合や返還に時間がかかる場合は、運営会社のCircleが必要に応じて外部資本を巻き込んだり、会社のリソースを使用して不足分をカバーすると発表しています。

個人の意見ですが、この出来事によって直接的にUSDCがダメになることはないと考えています。というか、USDCの価格が暴落するとおそらくweb3業界が今までの非じゃないほどダメージを喰らいます。主にDeFi等で利用されており、その流通量も膨大なので、投資目的で利用していた人が大きな損害を喰らいます。

幸いにも、金額の全てを預け入れていたわけではないので、一部が返還されなかったとしても補填できるほどの金額なのではないかと予想します。

しかし、この出来事によって「法定通貨担保型のステーブルコインにも信用問題が起こった」という事実が生まれてしまいました。

USDTで起こった時は、運営会社に問題があると言われていましたが、今回のUSDCは銀行の破産による影響です。(それもリスクヘッジしておかなかった運営会社の責任と言われるかもしれませんが、そこは一旦置いておきます)

そうなると、法定通貨にペッグしているからと言って完全に安全とは言えないという時代に突入することになり、大きな金額を仮想通貨で運用することに躊躇う人が生まれるかもしれません。特にこれからより不景気になり、且つDeFiの登場で銀行が破綻していく事例が増えていくかもしれません。

中央集権的な銀行の破綻によって、DeFiの本丸にいるようなステーブルコインUSDCの信頼性が揺らぐという、皮肉のような状況ですが、改めてステーブルコインの在り方について世界的に考えるきっかけとなる出来事となりました。

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