【Web3転職インタビュー】HashHub平野社長へインタビュー 国内有数のリサーチメディア・レンディング事業にかける想いを聞いてみた!
先日、SBIホールディングスへの連結子会社化が発表されたばかりの株式会社HashHub。日本のWeb3業界の最前線を走る平野社長に事業へかける思いや、今後Web3業界で必要となる人材についてその考えをお聞きしました!
株式会社HashHub
「パブリックブロックチェーンの恩恵をより多くの人に」というビジョンの下、暗号資産レンディングビジネス及びマーケットリサーチビジネスを主な事業として展開。Web3時代における新たな資産形成の機会を提供。
ゲスト 平野 淳也 社長
学生時代に衣料品・物販事業を創業して譲渡。2013年頃から暗号資産領域へ活動を広げる。個人での投資活動や国内外企業へのコンサルティングを行う。2017年には合同会社d10n Labを創業して暗号資産領域のレポートサービスとしてユーザ数が国内有数の規模に成長。2018年に株式会社HashHubへ創業メンバーとして参画し、2019年にCEO就任。
新ビジョンの策定「パブリックブロックチェーンの恩恵をより多くの人に」
ー本日はよろしくお願いします。まず初めに会社のミッション・ビジョンについてお伺いできますでしょうか?
私達は昨年8月にビジョンを刷新して、パーパスとしては「パブリックブロックチェーンの恩恵をより多くの人に」というものを新しく掲げました。
ここにある想いとしては、我々はそもそもなんでビジネスをやっているんだっけ、なんでわざわざ集まってリサーチだったり、色んな事業をやっているんだっけというと、その根本掘り下げていくと「パブリックブロックチェーンという面白いものがあって、それを使って何か役に立つもの、あるいは喜ばれるものを作りたいね」という想いがあります。
そういったものを一つのプロジェクトではなく、複数のプロダクトでHashHubの中から生み出せるような会社になりたいと、そういう想いをこめてパーパスを描いています。
HashHubのコア事業を深堀り
ーHashHubの事業について深掘りをしていきたいのですが、まずメディア事業である「HashHubResearch」について、事業を始めたきっかけや今後の展望をお伺いできますでしょうか?
「HashHubResearch」については、大事にしているポイントが二つあると思っていて、一つが「自分たちの原点を大事にする」ということです。
元々「HashHubResearch」は私個人のブログから始まっていて、当時日本語でビットコインの情報を発信する人は多くなく、投資であったり技術の話をいいバランスで分析しながら発信している媒体があまりなかったのです。
私としては「クリプトってこんなに面白くて、経済的チャンスもあるかもしれない。みんなこっちにおいでよ」みたいなモチベーションだったんですね。そのクリプトの面白さと経済性を追求するという原点の部分を「HashHubResearch」ではより強くしていきたいなと考えています。
もう一つが、クリプトの面白さとそれを実際に事業に結びつけるためのステップを我々がしっかり提供していくという点です。最近法人のお客様に利用していただけるようになってきた中で、その期待に答えられるように内々で工夫している部分もあります。
これからもこれら二つのポイントを大事にできる媒体でありたいと考えています。
ー次に「HashHubLending」について、サービス開始からこれまでの所感や今後の展望について、お伺いできますでしょうか?
正式版のリリースから1年ちょっと、先行リリースも合わせると大体2年ほど運営していて、今のレンディングというカテゴリーにおいては、国内で代表的なサービスの一つとして認知頂いているのかなと思っております。
我々はサービス開始当初から貸借料をコアな価値としていますが、安全性や持続性を一番大事なものとして内部のオペレーション含めてずっと徹底して運営しています。
昨今、一部の事業者が顧客資産を焦がして事業継続をできないという状況もありますが、我々は事故なく運営ができています。これに関しては当たり前のように見えますが、会社として内部統制などの工夫をしっかり実施しており、サービス開始から2年間運営してきた知見が蓄積できている部分ですね。
サービスとしては、ビットコインやイーサリアムなどの中長期の資産形成を掲げておりますが、暗号資産の業界がこれから発展してBTCやETHを長期視点で保有して資産形成をしたいという人は確実に生まれるので、まずは安全性にこだわってしっかり良いサービスにしていきます。
ここに関しては外に見えない工夫をかなりしていて、すごく大変な部分でもあるのですが、どの事業者も簡単にできるものではないので、自分たちがそれをやり続けることでユーザに受け入れてもらえるだろうと思っております。
ー最近、「スマートコントラクト監査サービス」をリリースされたかと思いますが、「HashHubLending」で培ったノウハウを生かしてサービス開発されたのでしょうか?
はい、まさにそうですね。我々は公表している通り、内部での資金の取り扱いをDecentralized Finance(分散型金融)を中心に行っています。
その中で、スマートコントラクトを極めて自分ごととしてaudit(監査)してきていますし、他社のauditレポートも大量に読んでおり、我々ほどスマートコントラクトのセキュリティを自分ごととして捉えている会社はいないと自負しています。
昨今、コントラクトを開発する事業者もたくさん現れている中で、我々はその監査が出来るよね、需要があるよねと思っています。
ーその他、今後HashHubとして仕掛けていきたい事業はありますか?
リサーチのサービスをより面白くしていきたいと思っています。もっとコミュニティの価値を高めたり、「HashHubResearch」にNFTを絡めていこうであったりとか、そういった話はチーム内でも出ていて、そこに関してはユーザーと一緒に育てていく部分だと思いますので、我々もユーザーに寄り添いながら作っていきたいと考えています。
HashHubの組織・働き方とは
ー次にメンバー構成とどんな方々が働いているのかについて、お伺いできますでしょうか?
社員数は業務委託を含めて20名弱の会社で、40%がエンジニアで30%から40%がリサーチャー、残りがバックオフィス系という構成になっています。飲食業界や大手コンサル会社出身など、様々なバックグラウンドのメンバーが働いています。
メンバーは結構多種多様だと思いますね。エンジニアが極端に多いわけではなく、「HashHubResearch」があるので非エンジニアのリサーチャーも一定おりますし、金融バックグラウンドの人間もいます。
とはいえ、リサーチャーだけでは物作れないよねといったところは痛いほど良くわかっているので、エンジニアに対するリスペクトが強い部分もありますね。
ーチームメンバーはどのような働き方をされていますか?
基本的にはフルリモート・フルフレックスになっています。平日の日中に大体みんな仕事をしているのでそこが実質的なコアタイムになっていますが、基本的にはフルフレックスというような形です。
人によって最適な仕事の仕方って結構違うだろうなと思っていて、自分勝手に仕事するっていうわけではなく、「こういう仕事の仕方がしたい」とチームで調整したらそれが許されるというところが特徴かなと思っています。
例えばリサーチャーとかだと、「この時間はリサーチのレポートを書くのに集中したいので半日オフラインになります」であったりとか、あるいは子育てをしている人とかは保育園のお迎えがあったりするので、15時とか16時くらいに退社してその代わり早朝がアクティブになっていたり、「みんなと仕事できる昼の10時から15時ぐらいは絶対入ります」などといった調整も各チームでしていますね。
ーHashHabで活躍されている人の特徴はありますでしょうか?
活躍している人の特徴でいうと、「周りにいい影響を与えられる人」というのがキーワードになっていると思っていて、自分1人でパフォーマンスを出すより、周りにいい影響を染み出すように与えることで一回良い成果を出すことだけじゃなくて、継続して良い成果を出せるようなチームに少しずつシフトしていけるような人が評価されやすいですね。
今後HashHubで求められる人材について
ー現状HashHubではオープンに採用をされてないかと思いますが、今後採用をするとしたら、どういったメンバーが求められそうでしょうか?
事業開発できるメンバーですね。やはりどうしても市場にいなくて、採用がすごく大変だなっていう感覚はあって、カジュアルに起業できる時代及び業界でもあるので、事業を作れたりあるいは年間売り上げで数億円ぐらいの事業を任せられるような人がWeb2の業界と比べてすごく少ないなと思いますね。
(事業を作るという観点では)必ずしも起業だけが道でもないなと思っていて、我々みたいな複数事業を展開していくような会社というのはいくつかありますし、そういった会社で事業責任者であったり、新規事業を育てていくといった道もあったりすると思います。1人で新しい会社をやることとはまた別の楽しさと難しさがあると思うので、是非起業を考えている人にも一つの選択肢として知ってほしいなと思っています。
ー「HashHubResearch」の事業ではどのような人がマッチしそうですか?
そうですね、既存のビジネスに当てはめてどんな面白いことができるのか、ユーザがどんなニーズや課題を持っていてそれを解消するにはどうすればいいのかを考えられる人ですね。
これもまたバランスの話になると思っていますが、先ほどお話ししたようなクリプトの面白さとそれが実際にどのように役に立つのかを提供できる両面を併せ持った人がマッチするかと思います。
ー今後、「HashHubLending」のような金融事業を拡大するにあたり必要となる人材像はありますか?
伝統的な金融業界の人、あるいは伝統的な金融業界で仕事をしたことがないけれどDefiは大好きな人、そのどちらも一緒に仕事したい人材像だなと思っています。
DeFiにめちゃくちゃ詳しくてMEVとかもよくわかってるし、DeFiの最適なスリッページを考える方法であったりだとか、プロトコルの特性もすごくわかっていて、大きいお金の運用あるいはコントラクトを叩きに行ったりだとか、そういったところに長けている人だったら当然ながら我々とマッチすると思います。
一方で、伝統的な金融業界のベーシックでかつリアルな知識があるみたいな人もやっぱり活躍できて、どういった内部統制が必要かであったりとか、収益管理の方法であったりとか、リスクアセスメントであったりとか、あるいは金融サービスを展開していくにあたってのモラル感覚であったりとかですね。
そういったものの積み重ねがあるのは伝統的な企業で仕事をしている人の方があると思っていて。そこを組織として取り入れていかないといけない部分だなと思っております。
これからのWeb3業界に求められる人材像とは
ーWeb3業界全体を見渡したときに、今後必要となりそうなのはどのような人材だと考えていますか?
そうですね、アプリをグロースさせた経験がありますとか、成否に関わらず新規事業の立ち上げ経験がある人とかは少しWeb3の知識を肉付けするだけで結構すぐスタープレーヤーになれるんじゃないかなと思っています。
逆にいわゆるWeb3ネイティブと言われるような属性の人たちは若いからこそ結構目立ったりするし、ファンや上の世代からかわいがられているんですけど、いわゆるWeb2の業界である程度活躍をして、そこにWeb3で肉付けしてきた人は少ないですよね。だからこそチャンスがあるのかなと思います。
平野社長から読者への一言メッセージ
ー最後に読者の方へのメッセージを頂けますでしょうか?
Web3っていうキーワードが広まってから大体1年ちょっとですね。それを揶揄する人もいるような業界ではありますが、とはいえすごく新しいテクノロジーでかつ、これが色んな分野に関わっていい意味でも悪い意味でも経済的インセンティブを内包して、今までにない新しいものが広がっていく世界になっています。
色んな揶揄をされて、その中に妥当性がある揶揄も結構あるんですけど、それらを内包しながらも、何か世の中に役に立つものを作ろうよとか、あるいは面白いものを作ろうといった信念を持って業界に入ってくると、長いイノベーションなので長く楽しめると思いますね。
最近は結構、「Web3何も作れないじゃないか」みたいな攻撃をされている分、新しく業界に入る人もちょっと今入りづらいんじゃないのかなと思って、そういうメッセージになりました笑
ー本日はありがとうございました!!
Plus Web3は「Web3領域に特化したキャリア支援サービス」
Plus Web3では、Web3で働きたい人材と、個人に合わせた優良企業をマッチングする求人サービスを行っています。
- Web3で働くことも考えている…
- Web3のインターン先はどこがいいか分からない…
- どんな知識やスキルがあれば良いのか分からない…
このような悩みを抱える人は、一度「無料キャリア相談」にお越しください。あなたにマッチした優良企業をご紹介いたします。