Web3学習コラム:DAOの活用事例
DAOについて何となく理解はしたけど、具体的なイメージができてない人も多いと思います。
本記事では、実際の活用事例を解説し、DAOがどのように実装されているのかを見ていきます。
それでは早速活用事例を見ていきましょう。
Bootcampでは、従来のように知識を詰め込むのではなく、Web3でキャリアアップするために最適化された必要最低限の知見とスキルを最短で提供することを掲げています。
NounsDAO
Nounsとは
Nounsとは、Ethereumブロックチェーン上に生成される人、場所、物をベースにした32×32ピクセルのキャラクターのことです。
毎日1つのNounが自動で生成され、オークションにかけられます。
落札者には自動でNounが送付され、落札金額は売上げとしてNounsDAOにプールされます。
NounsDAOにプールされた資金はNounホルダーの投票によって、使用用途を決定します。
このようにNFTの生成から販売、資金の使い道の決定まで全てスマートコントラクトにより自動で行われるため、ファウンダーの意思は介在していません。
ここがNounsDAOが最も成功しているDAOと言われている由縁です。
ファウンダーの報酬と議決権
Nounsではファウンダーに対して以下の報酬と議決権が付与されるよう設計されています。
・10体に1体(1の位が0のNoun)はファウンダーに送付(最初の5年間)
・最初の数年は明らかに間違った意思決定に介入できる権利
最初の頃は報酬と議決権をもらうが、最終的には全てDAOのみによる運営になるようにスマートコントラクトで設計されています。
このように最終的に人の手を介在させず、全てスマートコントラクトによる自動運営で回るのが最も成功しているDAOと呼ばれているNounsDAOです。
MakerDAO
Makerとは
Makerとは、イーサリアム上で仮想通貨を担保にステーブルコインDAIを借りることができるサービスです。
DAIは米ドルにソフトペッグされており、1DAI = $1の価値になるよう設計されています。
Makerの仕組み
Makerでは仮想通貨を預けることでステーブルコイン DAIを借りることができます。
預ける仮想通貨の価値と担保率によって、借りられる DAIの数量がスマートコントラクトによって自動で決定されます。
例えば、担保率が170%だった場合、170ドル相当の仮想通貨を預けると、100 DAIを借りることができます。
なお DAIを借りる際には精算率(現在は150%)が設定されており、担保にした仮想通貨の価値が下がり精算率を下回ってしまうとペナルティが発生するとともに自動的に精算される仕組みになっています。
精算では担保として預かっていた仮想通貨をオークションで売却し、その売却したお金で返済を行います。
担保として預けている仮想通貨の価値が大幅に下がり、貸し出しているDAIよりも価値が低くなった場合は、不足分をMakerの貯蓄で補填します。
預けた仮想通貨を引き出したい場合は、借りた DAIと安定化手数料を合わせて返済することで引き出すことができます。
安定化手数料とはDAIを借り続ける際に発生する手数料のことで、借りる期間に応じて手数料がかかり、安定化手数料は DAIで支払う必要があります。
例) 100DAIを年利0.5%で1年間借りた場合、0.5DAIの安定化手数料がかかる
Makerのサービス自体は全て設計されたスマートコントラクトによって自動で処理されますが、運営に関しては完全には分散化できていない状態です。
というのもMakerのガバナンストークンMKRはMaker protocol内での議決権としてしか使えず、ユーザーは保有するメリットが少ないため、分散化があまり進んでいません。
このようにDAOで運営しているが、実際は分散化が進んでおらず一部のユーザー達が多くの議決権を持ち、中央集権的な動きをするDAOもあります。
DAOの中でもかなりグラデーションがあるので、分析するときはどのように運営しているかについて注目してみると面白いと思います。
まとめ
本記事では、DAOの活用事例について解説しました。
実際の活用事例を見ることで、今までよりもDAOのイメージが湧いてきたのではないでしょうか?
さらに深く理解したい人は、実際にDAOメンバーとして活動してみることをオススメします。